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チリ大地震 ユニセフ、被害状況の把握と支援準備を進める【2010年2月28日 ニューヨーク発】 現地時間2月27日(土)未明に、南米チリを襲ったマグニチュード8.8の地震。ユニセフは、他国連機関と共に、被害状況の把握を進め、緊急支援活動をすぐに開始できるよう準備を整えています。 この地震で少なくとも700人が死亡し、数十万人の人々が被災したと報告されています。民家、病院、学校、道路や社会インフラなど、被害は広範囲に及んでいます。ユニセフ・チリ事務所のスタッフ全員の安否は確認されました。 ハイチ大地震の発生からわずか6週間半ほどで発生した今回の地震。ハイチでは、いまだに大規模な支援活動が続けられていますが、ユニセフは、その活動を縮小することなく、今回のチリの地震で求められる支援を提供することができると明言しています。 「ユニセフは、チリで発生した地震の影響を受けた全ての人々、特に子どもたちへの支援を行います。」(ユニセフ広報官談話) 「大惨事地帯」現地時間27日(土)午前3時34分に起きた今回の地震。震源地は、首都サンティアゴから南西に325キロメートル、20万人が暮らすチリ第二の都市コンセプシオンからは、僅か100キロの地点でした。地震による津波の影響で、南部沿岸の都市にも二次被害が発生しています。 チリ政府は、震災の影響を受けたビオビオ、マウレ、アラウカニア、バルパライソ、サンティアゴ都心部を、「大惨事地帯」に宣言しました。 被害状況の初期調査を行ったチリ政府は、現地時間28日、国際社会からの支援も受け入れることを発表。特に、仮設の病院施設や仮設橋の設置、浄水用の資材のほか、被害調査や行方不明者の捜索・救援の専門家の派遣を求めています。 一方、チリの教育省は、新学期の開始を一週間延期することを決めました。新学期は、現地時間の月曜日(3月1日)に始まる予定でしたが、3月8日に順延されました。 子どもたちが最も弱い立場に今回の地震による死者数は、今後増えるものと見られていますが、1月12日にハイチで起きた地震と比べると、その数は限られるものになると見込まれています。ハイチでの地震は、チリで発生した今回の地震よりも地震の規模を表すマグニチュードは小さい値であったにもかかわらず、震災前から国中を覆っていた極度の貧困と、非常に脆弱なインフラ設備のために、地震の影響が拡大されました。 間もなく雨季が始まるハイチでは、今後、雨によって、支援物資の配布や様々なサービスの提供活動が思うように進まなくなるのではと懸念されています。こうした状況にも関わらず、ユニセフは現在、他の人道支援団体と共に、被災した子どもたちのために、緊急の教育支援活動を急ピッチで進めています。 子どもたちは、自然災害や紛争などの緊急事態において最も弱い立場に立たされます。ユニセフは、こうした状況の中で、子どもたちの命を守り保護するための緊急支援活動に加え、一瞬にして日常を失ってしまった子どもたちが安心して日常的な感覚が取り戻せるよう、「学校活動」を出来る限り早く再開できるように活動しています。 *** 3月2日、ユニセフ本部は、チリでの緊急支援活動は、ユニセフがすでに持っている資金で対応可能なため、現時点では追加資金の要請は行わないことを発表しました。 ユニセフがこうした対応が出来るのは、日頃より、自然災害緊急募金などを通じて大変多くの方々にご支援をいただいているからにほかなりません。ユニセフ本部ならびにユニセフ・チリ事務所とともに、みなさまの変らぬご支援に改めて感謝申し上げます。 このような自然災害で援助を必要としながら、資金が不足する他の国や地域への支援をお願いいたします。 |