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| © UNICEF Viet Nam/2012/Blewett |
| インターネットを利用して学習したり世界と繋がったりする好機が、ベトナムの子どもたちにも広がっているが、ネット上の安全性が課題となっている。 |
過去10年以上にわたり、情報通信技術（ICTs）が急速に普及したベトナムでは、オンライン学習や、オンラインで地元のみならず世界中の人々と繋がるといった、これまでになかった機会が、多くの子どもや若者にもたらされています。
しかしながら、こうした発展の陰で、さまざまなデジタルリスク（インターネット上での危険）も生まれてきています。ネット上でのいじめや中傷、露骨な性描写との接触、プライバシーの侵害は、オンライン上で若者が晒されている様々なリスクの一部に過ぎません。特に、子どもや若者たち自身に（そうしたリスクを回避したりするための適切な）"準備"ができていなかったり、子どもや若者たちが法的に守られていない場合はなおさらのことです。ベトナムの若者が、どのように情報通信技術を利用しているのか、また、どのようなリスクに直面しているのかは、ほとんど明らかになっていないか、あるいはほとんど何も対策が講じられていないのが現状です。
こうしたリスクを最大限に軽減し、情報通信技術の恩恵を最大限活用できるようにするためには、子どもや若者の利用パターンについて理解を深め、（インターネット利用に関する）教育の機会を提供し、"デジタル時代"に対応する国の政策整備を支援することが必要です。ユニセフは、ベトナム政府やYahoo!と連携して、子どもや若者が、情報通信技術をどう利用しているか、調査を進めています。また、ジュニア・リポータークラブと共同で、ベトナム全土でインタビューや意見募集を行い、子どもたちや若者がインターネットを利用して経験した様々な事象を記録する活動を展開しています。
これまでに、次のような「声」が集められました。
トゥイ・ホアでは、インターネットを楽しめるお店が急増。店内は10代の子どもや若者たちで溢れています。（接続費用が高く）全ての家でインターネットが使える状況ではありません。しかし、こうしたお店に行けば、誰でも払える料金でインターネットを利用することができるので、多くの10代の子どもたちが利用しています。
10代の子どもたちは、好奇心が旺盛です。こうしたことを知って、インターネットを利用できるお店には、若者たちの関心を集めようと、性的に露骨なアダルト向けのポスターや写真が飾られています。この町にあるルオン・ファン・チャン中学校10年生のンゴク・アンーさんは、次のように話します。「多くのネットカフェで、アダルトポルノの写真が壁に貼られているので、勉強に集中できません。」
このネットカフェからそう遠くはないトゥイ・ホア9区にあるインターネットカフェは、学生で溢れかえっています。このカフェでスイッチが入れられているコンピューターは、僅か数台だけですが、そのほとんどが、オンラインゲームの画面を表示しています。そこに居た女の子は、「インターネットで勉強したり、音楽を聴いたり、教育訓練省が運営しているIOEと呼ばれる英語学習やテストを利用していることが多いです」と話してくれました。
地元のディンティンホアン中学校には、「ViOlympic」と呼ばれる数学の理解力向上用のサイトなどを利用して学習するためのコンピューター室があります。この部屋にあるコンピューターを使った全ての活動は、コンピューター室の運営者によって管理されています。
10代の子どもたちがインターネットを利用する際には、おとな、特に地域のおとなたちが見守る必要があります。インターネットで公共サービスだけを利用する家庭や子どもたちは、多くはありません。ある生徒は、次のように話してくれました。「私の家にはインターネットがありません。私はインターネットを利用するのが大好きです。勉強を手助けしてくれますから。先生たちは、部屋の中を歩き回っていて、ときどき迷惑に感じますが、先生たちが見守ってくれることは必要なことだと思います」
家にインターネット環境がある家庭にとって、子どもたちのネット利用を管理することは容易なことではありません。子どもたちが、ネットに潜むリスクを学ぶ機会を作ることが求められています。
12月13日（ロンドン現地時間正午）、ユニセフ・イノチェンティ研究所は、「インターネット上の子どもの安全—グローバルな挑戦と戦略」を発表。国境の無い世界で拡大するネット上の様々なリスクから子ども達を守るために、国際的な取り組みの必要性を訴えています。
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