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東日本大震災緊急募金 第40報
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© 日本ユニセフ協会 |
始めに、中学校の始業式が行われました。始業式終了後、先生から「メジャーリーグからプレゼントがあります」とのアナウンスが。体育館の入り口が開かれ、野球用具を携えたメジャーリーグベースボール(MLB)と、日本ユニセフ協会のスタッフが入場すると、子どもたちと先生からはどよめきと歓声があがりました。
メジャーリーグ ベースボール アジア ヴァイス プレジデント ジム・スモール氏は、「日本とアメリカは海を隔て離れているけれど、野球という素晴らしいスポーツを通じて一つになれる。僕も子どものころはアメリカで野球をしていました。野球のいいところは国が違ってもルールは同じ。僕と君たちは同じ野球をしているんです。」「野球で大事なのは、チームプレーと忍耐、お互いを助け支え合う心。それは今の状況でも同じだと思います。」「がんばろう東北!」と、メジャーリーグ ベースボールを代表して挨拶しました。
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贈呈式では、野球部の主将が児童・生徒を代表して野球道具を受け取る予定となっていましたが、子どもたちの前に並べられた野球道具を見た学校の先生方の計らいで、「野球部は全員前へ!」と号令がかけられ、野球部(新2,3年生)が前に整列。制服も津波に流されてしまったため、子どもたちは私服姿でした。
ジム・スモール氏は、野球部の一人ひとりに「ポジションは?」と声をかけながら帽子を手渡しました。中学校の野球部員は手の中にある帽子とグローブから目を離さず、心からうれしそうな、はにかんだ笑顔を見せていました。
野球部以外の子どもたちの中には、「野球部に入ればよかった・・・」と言う子もいましたが、日本ユニセフ協会のスタッフから、「みんなの分もMLBからプレゼントがあるよ」と言われると、その男の子はとびあがってガッツポーズを見せました。
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お礼の言葉を述べる閖上中学校野球部の大橋淳貴主将。 |
中学校野球部の大橋淳貴主将が代表でお礼の言葉を述べました。初めは、緊張のあまり言葉がでず、右手のマイクを握りしめながら、左手に持っていたグローブを落としてしまいましたが、グローブを拾い上げると顔を上げ、しっかりとした口調で話し始めました。
「グローブなど全部流されてしまったので、このような野球道具をもらえてとても嬉しいです。場所が見つかったら、すぐにでもプレーしたい。感謝の気持ちを忘れずにがんばっていきたいと思います。」
この挨拶の直後、先生から「サンキューって言って!」と声がかかると、会場は笑いに包まれ、和やかな雰囲気が広がりました。
始業式後、退場していく子どもや先生から「ありがとうございます!サンキュー!」等と何度も声がかけられました。閖上中学校の高橋澄夫校長先生は、「子どもが本当に喜んでいる。ありがとうございます」と、ジム・スモール氏にお礼のお言葉をかけていらっしゃいました。
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閖上小学校の子どもたちに帽子を手渡すメジャーリーグ ベースボール アジア ヴァイス プレジデント ジム・スモール氏。 |
続いて、閖上小学校の始業式が行われました。この小学校には、少年野球チーム「閖上ヤンキース」があります。ジム・スモール氏は、挨拶の後、チームのキャプテンにヤンキースの帽子を手渡しました。「閖上ヤンキースはニューヨーク・ヤンキースよりも強い!」と声をかけると、子どもたちは大きな笑顔を見せました。
子どもたちは、帽子をかぶり、手にはグローブをはめ、「新しいグローブのにおいがする!」と大はしゃぎ。体育館の中を元気に駆け回っていました。
平山和紀閖上小学校長は、「子ども達の顔がぱっと明るくなった。ありがとうございます」と目に涙を浮かべて日本ユニセフ協会スタッフに御礼の言葉をかけてくださいました。
日本ユニセフ協会は、子どもたちが子どもらしい環境に一日も早く戻れるように、「バック・トゥ・スクール(学校へ戻ろう)キャンペーン」の支援を実施しています。その一環として、4月16日、日本ユニセフ協会の長年のパートナーみやぎ生協が気仙沼、石巻、七ヶ浜、名取各市の合計41校、3,459名分の学校用品を配布。同日、津波で全壊した名取市の閖上(ゆりあげ)小学校と閖上中学校が、同市内の不二が丘小学校に移転して再開するにあたり必要な物資を届けています。
2011年3月28日、米ニューヨークにおいて、メジャーリーグベースボール(MLB)とメジャーリーグベースボール選手会は、東日本大震災による甚大な被害への支援策として、50万米ドルの寄付を日本ユニセフ協会に贈ること、また2011年シーズンの開幕ウィークを皮切りに、球場内での募金活動などを通じて野球ファンへの協力を呼びかけていくことにも合意。また東京に拠点を置くMLB Japanは、日本ユニセフ協会と協力して被災地の子どもに野球用具を贈ることを決定しました。MLBと日本ユニセフ協会は、スポーツを通して、被災地の子どもに夢を届けるための支援に取り組んでいます。
支援先 (県別) |
支援物資 | 到着日 | 数量 | 寄贈企業 | 備考 |
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宮城 | 水 | 3月19日 | 12,288本 | VanaH(株) | 2Lペットボトル |
福島 | 水 | 3月22日 | 12,672本 | VanaH(株) | 2Lペットボトル |
宮城 | 男児・女児用下着 | 3月22日 | 20万枚 | ||
岩手 | 男児・女児用下着 | 3月23日 | 3万枚 | ||
福島 | 水 | 3月23日 | 4680本 | キリンMCダノンウォーターズ(株) | 2Lペットボトル |
宮城 | 子ども用靴 | 3月23日 | 10000足 | ||
宮城 | 子ども用おむつ | 3月24日 | 80パック | P&G | |
岩手 | 子ども用下着 | 3月24日 | 9700枚 | ||
福島 | 水 | 3月24日 | 12,288本 | VanaH(株) | 2Lペットボトル |
岩手 | 靴 | 3月26日 | 1404足 | アキレス(株) | |
岩手 | 男児・女児用下着 | 3月27日 | 28,266枚 | ||
岩手 | 長靴 | 3月27日 | 7462足 | ||
岩手 | お尻ふき | 3月28日 | 1200個 | P&G | 赤ちゃん用 |
宮城 | レクリエーションキット 「箱の中の幼稚園」 |
4月2日 | 各50 | ユニセフ物資供給センターより調達 | |
岩手 | レクリエーションキット 「箱の中の幼稚園」 |
4月2日 | 各50 | ユニセフ物資供給センターより調達 | |
宮城 | ランドセル | 4月6日 | 70個 | 日本ニューバッグチェーン | |
岩手 | ランドセル | 4月6日 -7日 |
340個 | セイバン | |
宮城 | 学校用かばん | 4月8日 | 18,000個 | ユニセフ物資供給センターより調達 | |
岩手 | 学校用かばん | 4月8日 | 18,000個 | ユニセフ物資供給センターより調達 | |
宮城 | 防犯ブザー | 4月8日 | 5,000個 | ||
岩手 | 防犯ブザー | 4月8日 | 5,000個 | ||
福島 | 水 | 4月11日 | 1536本 | VanaH(株) | 2Lペットボトル |
宮城 | レクリエーションキット 補充素材 |
4月12日 | 60セット | ||
宮城 | ミニカー | 4月12日 | 約1200 | タカラトミー | |
相模原* | 水 | 4月12日 | 12288本 | VanaH(株) | 2Lペットボトル |
宮城 | プレイマット | 4月13日 | 2種 各80枚 |
IKEA | |
宮城 | お絵かきセット | 4月13日 | 60セット | IKEA | |
岩手 | いす(3〜5歳) | 4月14日 | 75脚 | ||
岩手 | テーブル(6人かけ) | 4月14日 | 11台 | ||
岩手 | 座卓 | 4月14日 | 9台 | ||
岩手 | 小・中学生用ノート・文具セット | 4月15日 | (16,700セット) | ||
宮城 | PC183台 | 4月18 -21日 |
(61ヶ所×3台) | 被災した各幼・小・中・高と移転先に配布 | |
宮城 | コピー・FAX複合機 | 4月18 -21日 |
57台 | 被災した各幼・小・中・高と移転先に配布 | |
宮城 | プリンター | 4月18 -21日 |
61台 | 被災した各幼・小・中・高と移転先に配布 |
*被災者受け入れ場所
※一部支援物資については、各県の物資集積倉庫より他県の避難所または被災者に配布されている場合もございます。
2011年4月20日午前9時現在 (広報室まとめ)