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ミャンマー サイクロン被害第26報
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© Kikugawa/JCU/2008 |
校舎が再建されるまでの間使用される、地域コミュニティがユニセフの支援を直接受けて、竹と椰子の葉で作った簡易教室。次の雨季までは持ちこたえられない。 |
サイクロン・ナルギスがミャンマーのイラワジ(エーヤワディー)・デルタを襲ってから6ヶ月、救援活動は順調ですが、子ども達や彼らの家族たちへの長期的な解決をもたらすために依然支援が必要な状況です。
「これだけ多くの被害をサイクロンがもたらしたが、これはまたより良いものを立て直すいい機会でもあります。今が子ども達、家族、そして未来の世代の生活を改善する恒久的な解決をもたらす時です。」と、ユニセフミャンマー事務所代表ラメッシュ・シュレスタは話しました。
© Kikugawa/JCU/2008 |
簡易移動ライブラリー。手前の箱の中は、レクリエーションキットに入っているいくつかのボール。 |
サイクロン被災地における学校再建のための標準設定モデルとして、ユニセフは7箇所で安全で、子どもに優しい学校の建設を計画しています。これらの建物は、サイクロン、地震に耐久性があり、緊急時にはコミュニティのためのシェルターとしても使うことが可能で、建設作業は11月に始まる予定です。また、ユニセフは、保健センターの再建、恒常的な水と衛生施設の拡充を検討しています。
これらのような、より長期的な解決を計画している一方で、ユニセフは、緊急の対応策もとっています。一例としては、破壊された校舎の代わりに作った簡易教室(上記写真参照)、2500の学校に在籍する39万人以上の子ども達を対象に配布された基礎的な学習キット、簡易移動ライブラリーボックス、レクリエーションキット、教師用の学校キット、そして、多くの家族や友人を失った彼らがサイクロン被害から立ち直れるように教師が行う心理・社会的ケアのための訓練があります。
© Kikugawa/JCU/2008 |
子どもに優しい空間で遊ぶ子ども達。行き場は失った多くの子ども達にとって唯一楽しめるスペース。ユニセフが支援によりコミュニティに根付いている現地宗教組織が運営している。 |
ユニセフはまた修道院内、おおよそ18,500人の子ども達に心理・社会的サポート活動を提供している他の公共の場所に104の子どもに優しい空間を建設し、140のコミュニティベースの子ども保護支援グループを形成することを手伝いました。また、助産婦達は70,000の出産キットを受け取り、被害を受けた134の保健センターは修復されました。ユニセフは引き続き救援物資を提供し続け、被害を受けた地域の教師、保健スタッフの研修と同時にコミュニティのネットワーク強化を引き続き行う予定です。
「政府、ユニセフ、NGOの全面的な協力のおかげで、最初の6ヶ月間の救援活動は成功と言えます。しかし、私たちは今この救援活動をやめることはできません。中期・長期的な需要に対応するために差し迫った課題がいまだ沢山あるためです。」と、シュレスタ代表は語っています。
ミャンマー政府社会福祉省、ユニセフ、ミャンマー赤十字、他の協力者はまたサイクロンで引き離された家族を再会させるために取り組みを続けています。総計1048人の子ども達がデータベースに登録され、そこから30人の子ども達が家族と再会を果たしました。引き離された、または同伴者のいない子ども達は、ユニセフと関係者からの支援でコミュニティに面倒を見てもらっています。
© UNICEF Myanmar/2008 |
ヌガヨックカウン村における塩化水浄水作業を見守るユニセフミャンマー事務所のコンサルタント。 |
ユニセフと関係者は、もうすぐ来る乾期における水不足への解決策を探し出そうと取り組んでいます。雨季の終わりが急速に近づいてきている中で、過去数週間で雨量は既に減っています。今のところ、海水流入によって塩化された池や井戸が浄化され、135,000人以上の人々が安全な飲料水へのアクセスがありますが、すべての井戸や池の清掃が終わったわけではありません。さらには、農村部ですでに存在する水供給システムを強化することにも取り組んでおり、家庭レベルでの貯水キャパシティの増加を目指しています。
* 当報告は、ユニセフミャンマー事務所が作った180日報告書と、先月、各国国内委員会合同現地視察に参加した当協会職員による視察レポート、及び撮影写真をもとに作成いたしました。