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黒柳 徹子ユニセフ親善大使、内戦下のコートジボワールを訪問【2006年6月22日、ニューヨーク発】
黒柳徹子ユニセフ親善大使は、コートジボワールを訪問し、以前兵士だった子どもをはじめ、内戦の犠牲となっている子どもたちが直面している状況を視察しました。 女優であり子どもの権利擁護の代弁者(child advocate)である黒柳大使は、コートジボワール訪問期間中、子どもの保護を始め、教育、水と公衆衛生、健康とHIV/エイズの分野におけるユニセフの支援プログラムを視察しました。 黒柳大使は、南部のアビジャンからブアケ、北部のコロゴと、コートジボワールを縦断。何年にも渡り繰り返されている内戦の傷跡を目の当たりにしました。子ども兵士を武装解除し、社会に復帰させるための支援をしているセンター(demobilization and reintegration)を卒業した子どもたちと面会した場面は、最も印象的でした。 コートジボワールでは、今年1月からこれまでに、327人の子どもたちが武装解除され、現在、1,600人の子どもたちがユニセフがサポートする支援センターに登録され、武装解除・社会復帰を待っています。 心のケアとトレーニングユニセフ コートジボワール代表 ユーソーフ・オーマー氏は、子どもたちが兵隊になる理由は一つではないと説明します。紛争がはじまると、学校は閉鎖され、他の基本的な社会サービスも機能しなくなります。その結果、子どもたちは行き場を失い、誰の保護を受けることも無く路頭に迷わされてしまうのです。ある者は食べ物を求め、またある者は冒険心に駆り立てられ、武装勢力の軍事拠点に辿り着いてしまうこともあるのです。 黒柳大使が視察に訪れる3週間前、オーマー代表は、コートジボワールの西部の街マンにおいて、元子ども兵44人の卒業式に参加しました。「支援センターでは、子どもたちに、技術的なトレーニングだけではなく、心のケアも提供しました。子どもたちには、単に道具の使い方などの技術を教えるだけではなく、人に物事を教える・伝える技術を伝えています。そうした訓練を受け卒業を迎えた子どもたちに会うことは、とても感慨深いことです」とオーマー代表は語ります。 マンの支援センターを卒業した子どもたちは、それぞれの家族の元へ戻っているところです。しかし、オーマー代表は、こうした子どもたちが、再び兵士に戻ることがないように、彼等が家庭に戻った後も、引き続き支援をしてゆくことが必要であると強調します。 持続可能な平和を求めてかつては平和と繁栄のモデルとしてみなされていたコートジボワールですが、民族的、政治的、宗教的な対立から、内戦への道程を辿ってしまいました。一頃にくらべ、状況は改善されつつあります。しかし、政治的解決策はいまだ見出されていません。 「今この国で私たちが直面しているこうした深刻な問題の解決には、平和が必要なのです。私たちは、全ての紛争の停止させなければなりません。持続可能な平和が必要です。この国は再び一つの国にまとまらなければなりません。一つの国に、一つの国民に、一つの行政制度に。」と、オーマー代表は強く訴えます。 武力紛争に子どもを巻き込ませないようにするための活動や、子どもの兵士の武装解除、彼らを家族の元へ戻すための活動が、コートジボワールのユニセフ活動の中心です。しかし、今尚兵士としての生活を送る3,000人から4,000人もの子どもたちを救うためには、多くの資金が必要です。 視察を終えるにあたり、黒柳大使は、人道的危機にあるコートジボワールの子どもたちに対する国際的な支援を訴えました。 <執筆:サビーン・ドラン>
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