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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたちは今 報告会レポート

【開催報告】 “待ったなし!一日も早い児童ポルノ単純所持違法化を。”
「第3回児童の性的搾取に反対する世界会議(2008年リオ会議)」フォローアップセミナー
−インターネット上の児童の性的虐待画像(児童ポルノ)根絶に向けて−

■日時:

2012年6月2日(土)13:30〜16:30

■場所:

国連大学ウ・タント国際会議場

日本ユニセフ協会、駐日スウェーデン大使館、ECPATスウェーデン、ヤフー株式会社は、2012年6月2日、国連大学において、「第3回児童の性的搾取に反対する世界会議」フォローアップセミナーを開催しました。当日の模様を報告いたします。

1.プログラム

開会挨拶 (シルビア王妃陛下のご紹介)
ラーシュ・ヴァリエ 駐日スウェーデン大使
基調演説 スウェーデン国王妃シルビア陛下 »
主催者挨拶 東郷良尚 日本ユニセフ協会 代表理事 副会長
野田総理大臣
メッセージ
(代読 早水研 日本ユニセフ協会 業務執行理事 専務理事) »
高円宮妃久子殿下
メッセージ
(代読 アグネス・チャン 日本ユニセフ協会大使) »
基調講演 「ポスト・リオ世界会議−子どもの商業的性的搾取分野における緊急対策の推進」 ヘレナ・カーレン ECPATスウェーデン事務局長 »
特別講演Ⅰ 「児童ポルノ排除に向けた日本政府の取組について」
山本和毅 内閣府政策統括官(共生社会政策担当)付参事官 »
特別講演Ⅱ 「子どもに対する性的虐待の現状について」
アンダーシュ・ペーション 元・国際刑事警察機構 捜査官 »
来賓挨拶Ⅰ ポール・フィッツジェラルド 駐日米国大使館 公使参事官兼総領事 »
来賓挨拶Ⅱ 松あきら 参議院議員 »
富田茂之 衆議院議員 »
小宮山洋子 厚生労働大臣 衆議院議員(代読 政策秘書官 黒須様) »
パネルディスカッション 「児童ポルノ流通防止対策について−日本と世界の視点から」 »
閉会挨拶 スーザン・ビッセル ユニセフ(国連児童基金)本部事業部部長補・子どもの保護チーフ »

2.概要

本セミナーは、2008年にリオデジャネイロで開かれた「第3回児童の性的搾取に反対する世界会議」(「2008年リオ会議」)の成果文書* が、各国政府、国際機関、NGOなど児童ポルノを含む児童の性的搾取の予防と対策に取り組むすべての関係者に対し、来年2013年を達成期限として具体的な行動を求めていることを受け、2008年以降の達成状況を国際、国内の視点から確認し、日本国内における児童の性的搾取問題への国民的関心と官民による一層の取組みを喚起することを目的として開催されました。

日本国内では、日本ユニセフ協会が全国PTA協議会、全国知事会などの団体、個人、企業のご賛同を得て2010年5月より 「児童ポルノのない世界を目指して」国民運動を推進(詳細は国民運動特設HPへ)。その一環として実施された署名活動では、いわゆる「単純所持」の禁止をはじめとする子どもの権利の保護を最優先とした児童買春・児童ポルノ禁止法の早期改正を求める117万筆を超える署名が全国から寄せられました。昨年8月には117万人の「声」を参議院議長に提出、同日衆議院議長にもその旨をご報告し、改めて児童の権利の保護を最優先とする法改正の早期実現を求めました。しかしながらいまだ法改正は実現していません。

本セミナーでは、シルビア王妃陛下を筆頭に講演者、来賓から、日本における児童ポルノ単純所持を早期に違法化するよう訴える声が一様に上がりました。また、国会議員、在京大使館、関係省庁、自治体、インターネット関連事業者、NGOなど、世界17ヶ国から約200人が参加。2008年リオ会議以降の児童ポルノ対策に係わる国際的な動向と、日本国内において特に進展の見られたインターネット上の児童ポルノのブロッキングに関する取り組みなどについて、国内外の専門家が紹介するとともに、パネルディスカッションでは、ファイル共有ソフト(PSP)を使った流通への対策や、関連法整備、予防に重点を置く関連施策の拡充など、一層取り組むべき課題について活発な議論が交わされました。

共催者を代表して、日本ユニセフ協会の東郷良尚副会長がセミナー開催にあたってご尽力いただいた関係者への感謝の言葉とともに、本セミナーにおける様々なディスカッション、メッセージが子どもの権利の実現を最優先とした児童買春・児童ポルノ法改正に寄与することへの期待を述べました。

*「児童の性的搾取を防止・根絶するためのリオデジャネイロ宣言および行動呼びかけ」(外務省HPからダウンロード)

3.ダイジェスト

【基調演説】 スウェーデン国王妃シルビア陛下

“児童の性的搾取の問題を否定したり、目を背けたり、見てみぬふりをすることは、子どもの性的搾取に貢献する行動の一つです。今、具体的な行動を起こさないのは、子どもを虐待するのと同じことです”

長年、子どもの権利問題の改善に取り組んでこられたスウェーデン国王妃シルビア陛下は、「もしわが子が消息不明になり、その子の姿を再び目にするのが、インターネット上で性的に搾取されている場面だとしたら、私たちはどのように感じるでしょうか?そしてその画像を削除できる可能性が決してないとしたら?」と問いかけ、児童ポルノ画像の一つ一つが、罪のない子どもたちへの重大な人権侵害であると明確に述べられました。また、インターネット上の児童ポルノに関する活動の大部分は営利目的であること、そのため効果的に規制する方法の一つとしてその収益性と闘うこと、つまり消費需要を減らすことが重要であるということを説明されました。1999年にスウェーデンでは処罰化された児童ポルノの単純所持が日本で未だ違法化されていないことに触れられ、児童ポルノを始めとする子どもへの性的搾取に対する需要を減らし、最終的に根絶するため、日本においても児童ポルノの単純所持を違法化する必要があると訴えられました。

【野田総理大臣メッセージ】 代読:早水研 日本ユニセフ協会 業務執行理事 専務理事

“問題の解決に向けて、取り締まりの強化のみでなく、児童ポルノ被害の未然防止・拡大防止、被害児童の保護・支援の充実などを図っていくことが不可欠”

セミナー開催にあたりメッセージをお寄せくださった野田総理大臣は、情報技術の発展とそのグローバル化に伴い、国境を越えての児童の権利侵害という課題に国際社会が直面していること、また一度インターネットに流れてしまうと、その回収は事実上不可能であり、被写体とされた児童の苦しみは将来にわたって続くことになる児童ポルノ問題は憂慮すべき事態であることについて認識を示されました。日本政府として、児童ポルノ問題の解決に向け、国民の理解と協力を得ながら、事業者や関係団体と連携し、児童ポルノ排除に向けた取組を推進させていく、という決意を示されました。

【高円宮妃久子殿下メッセージ】 代読:アグネス・チャン 日本ユニセフ協会大使

“第一回フォローアップセミナーが15年ほど前、横浜会議が11年前です。待った無しと言いながら、子どもたちにとっては自分たちの人生より長い時間が経過してしまいました。苦しんでいた子どもたちのうち何人の人権を守ることができたか、またその後も同じような苦しみを味わっている子どもが世界に何人存在するかと考えると、心が痛みます。”

1996年の第1回ストックホルム会議の直後に駐日スウェーデン大使館で開催された第1回フォローアップセミナーへのご参加をきっかけに、シルビア王妃陛下とともに、またご自身でも、様々な会議などにご出席になり、子どもの性的搾取問題に向きあってこられた高円宮妃久子殿下。当日は残念ながらご臨席賜ることが叶いませんでしたが、子ども一人ひとりを慈しみ、世界中の子どもたちを性的搾取から守り、世界のすべての子どもがより良い環境で健やかに育つことを願う、力強く温かいメッセージをお寄せいただきました。

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【基調講演】 ヘレナ・カーレン ECPATスウェーデン事務局長
「ポスト・リオ世界会議−子どもの商業的性的搾取分野における緊急対策の推進」

“閲覧や購入、所持という行為が児童ポルノの生産を促進する。国際的な協力が必要な問題だからこそ、日本でも単純所持の禁止を急いでほしい。”

ヘレナ・カーレン氏は、イギリスのネット監視活動団体(IWF)の調査結果を引用し、児童ポルノ被害の低年齢化や過激化が進んでいると指摘。具体的には、IWFが世界の児童ポルノ掲載サイト12,752を調査・分析したところ、被害児童の74%が10歳以下とみられ、67%がおとなによる強姦や性的虐待が含まれる内容であったことなどをあげました。また、なぜ単純所持規制が必要とされるかについて、閲覧や購入、所持という行為が児童ポルノの生産を促すとし、単純所持を違法化しなければ児童ポルノという性的搾取の連鎖はなくならないと説明。近年、児童ポルノ単純所持を違法化した豪州、インドネシア、フィリピン、韓国などをあげ、世界が日本での単純所持違法化を待っていることを強く訴えました。さらに、児童ポルノに立ち向かうためには各国の団体(特に警察)が協力し、調査結果やデータを共有することが重要であると訴えました。

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【特別講演Ⅰ】 山本和毅 内閣府政策統括官(共生社会政策担当)付参事官
「児童ポルノ排除に向けた日本政府の取組について」

“児童ポルノは、児童の性的搾取・性的虐待の記録であり、児童の権利を踏みにじるものである。児童ポルノは絶対に許されない。(児童ポルノ排除総合対策より)”

日本政府を代表し、内閣府の山本参事官より、2010年に策定された「児童ポルノ排除総合対策」の概要についてご紹介いただきました。児童ポルノ排除総合対策の6つの柱(①児童ポルノ事犯の取り締まり強化、②インターネット上の児童ポルノ画像の流通・閲覧防止対策、③被害防止対策、④被害児童の早期発見及び支援活動の推進、⑤児童ポルノ排除に向けた国民運動の推進、⑥諸外国における児童ポルノ対策の調査等)について説明がありました。

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【特別講演Ⅱ】 アンダーシュ・ペーション 元・国際刑事警察機構(インターポール)捜査官
「子どもに対する性的虐待の現状について」

“児童ポルノは、児童の性的虐待の証拠にほかならない。”

元インターポール捜査官で、現在はスウェーデン国家警察に務めるペーション氏は、表現の自由と言うが、誰のための自由なのか?と問いかけ、児童ポルノは「ポルノグラフィー」ではなく、児童への性的虐待(=犯罪行為)の証拠であること、そして性的虐待自体は決して‘ハイテク犯罪’ではないのだと説明。児童ポルノ事犯に取り組む警察はこれまでの犯罪捜査と同様に、辛抱強く時間をかけて、従来の犯罪現場分析を行い、法律に従い、専門家と協力しながら捜査を進める。だからこそ児童ポルノの製造、配布、単純所持を規制する効果的な法整備が、児童ポルノとの戦いに勝つための重要な手立てである、と述べました。

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【来賓挨拶Ⅰ】 ポ−ル・フィッツジェラルド 駐日米国大使館 公使参事官兼総領事

“子どもを守るためには、これ以上子どもを被害者にしないことだ”

フィッツジェラルド公使は、深刻な児童ポルノ問題に取り組むアメリカの例を挙げ、児童ポルノの単純所持規制を定めた法律が、捜査官が子どもに被害を加える人々を追い詰めるため、極めて重要であると説明。日本において児童ポルノの単純所持が合法であるために日本の法執行機関が児童ポルノ事犯の捜査にあたって、その能力を甚だしく制限されている。児童ポルノ事犯に係わる冤罪の可能性についての議論もあるが、それらは現在の国際社会での議論の水準に遠く及ばない。すでに国際的な標準となった諸外国の単純所持規制法に設けられているセーフガード(安全対策)を参考にすべきだ。日本の子どもたちを守るため、また国際的な児童ポルノ根絶の取組と全面的に協調するため、日本の児童ポルノ単純所持規制は必要不可欠である、と訴えました。

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【来賓挨拶Ⅱ】
松あきら 参議院議員

“単純所持を違法化しないということは、児童を虐待しているということと同じ。国会議員に働きかけ、単純所持の法整備を必ず実現する。”

松議員は2008年リオ会議において児童ポルノの入手・閲覧も犯罪であると議論されていたにもかかわらず、日本では単純所持の規制もできていないと指摘。この問題に関して国会が動いていない現状に触れ、単純所持を違法化しないということは、「国会議員一人一人が児童を虐待している」と言っても過言ではない、と話しました。そしてNGOや民間団体の熱意に感謝の意を表し、このセミナーを機に子どもたちが危機にさらされているという現実を国会に知らしめ、単純所持の法整備の実現に向けて最大限の努力をしていくと語りました。

富田茂之 衆議院議員

“単純所持を処罰化しない限り、この問題は解決しない”

富田議員は3年前の7月から民主・自民・公明党で単純所持罪について何度も議論してきたにもかかわらず、国会の揺らぎにより法改正が実現していないことに触れ、現在、3年前に実現できなかった法案を継続審議として国会に提出しているとし、三党で協力し単純所持の禁止および処罰の法案をなんとしてでも成立させると決意を示されました。シルビア王妃陛下の「見て見ぬふりをすることは、児童虐待に貢献していることになる」という言葉が心に重くのしかかったと述べ、このセミナーでの皆様の意見をしっかり受け止め、スウェーデンに21年の遅れをとったスタートだが、児童ポルノの単純所持の禁止、処罰化を必ず実現させると強い口調で語りました。

小宮山洋子 厚生労働大臣 衆議院議員 (代読者:政策秘書官 黒須様)

“子どもたちの性的虐待画像の根絶に向けて、同じ思いをもつ人たちが集まり議論することは、とても意味深いこと”

スウェーデン国王妃シルビア陛下のご来日に加えて、子どもたちの性的虐待画像の根絶に向けて、思いを同じくする人たちが一同に集まり、その取り組みの進捗状況を議論することは、とても意味深いことである。この問題に向けて、国、企業、NGO、国際機関などがそれぞれの立場でひとつひとつ行動を積み重ねていくことを不可欠とし、このセミナーも積み重ねの一つであると話されました。小宮山氏は、Children First(子どもを第一に考える)を胸に、皆様のお力添えをいただきながら全力で取り組んでいくとのメッセージをいただきました。

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【パネルディスカッション】

「児童ポルノ流通防止対策について
−日本と世界の視点から」

(コーディネーター)
大森佐和ECPAT/ストップ子ども買春の会

(パネリスト)
別所直哉 ヤフー株式会社
クリスティアヌ・ショーベリ ネットスクリーンテクノロジー社
ジョージ・エアマン ドイツキンダーヒルフェ(NGO)

別所直哉 ヤフー株式会社 CCO・法務本部長兼政策企画室長

“実際の子どもを被写体とした児童ポルノサイトの流通防止は改善してきている。”

別所氏は、日本における児童ポルノ流通防止対策として、昨年4月から日本でブロッキングを開始し、現在では民間事業者69社が協力しており、現在国内のネット利用者の約8割をカバーしていると説明。現時点でブロッキングの対象となっているサイトは外国のサーバーにあるものがほとんどであり、日本国内における実際の子どもが被写体となった児童ポルノサイト対策は進んでいると言える。しかしながら、ブロッキングだけでは児童ポルノ対策にはならないと指摘。単純所持の違法化はもちろん、児童ポルノ法改正議論の過程で広く国民にこの問題の重要性に気づいてもらいたい、テクノロジー分野においてもできる限りの対策をしていきたいと、語りました。

クリスティアヌ・ショーベリ ネットクリーンテクノロジー社 CEO兼 設立者

“児童ポルノ画像が流通している事実、またそのURLを知っていて、止めないわけにはいかない。児童ポルノは社会問題であり、私たち一人一人が考えなければならない。”

ショーベリ氏は、早期にブロッキングを開始したスウェーデン・ネットクリーン社の設立、目的、今に至るまでの経緯について紹介。画像が流通していること、またそのURLを知っていて、止めないわけにはいかない、児童ポルノは社会問題であり、私たち一人一人が考えなければならないと強く訴えました。P2P(ファイル共有ソフト)については早い段階から認識しており、近いうちにほとんどのP2Pについてもブロッキングできるようにしたいと決意を示しました。

ジョージ・エアマン ドイツキンダーヒルフェ(NGO) 代表

“ファイル共有ソフトP2Pによって児童ポルノ被害が深刻化している。”

エアマン氏は、ドイツの児童ポルノ流通防止対策について、ブロッキングではなく、画像、児童ポルノサイトの削除および被害者の発見、支援が最優先だとし、ドイツでブロッキングを採用しなかった理由として、P2Pファイル共有ソフトを使った加害者のネットワークでは、出回っているものではなく新しいものを常に求めているためだとしました。さらにクレジットカードでの購入ができないようにするために米国の協力が必要不可欠だったことに触れ、警察だけでなく、民間企業やNGO、国家間の協力の必要性を訴えました。ドイツでは、単純所持は違法化されているが、もっと厳しくするべきだとし、特に購入者を処罰することの必要性を指摘、日本も早期に単純所持を違法化し、児童ポルノを持つこと自体が、社会規範に反するとの社会的メッセージを打ち出すべきと訴えました。

大森佐和 ECPAT/ストップ子ども買春の会運営委員、国際基督教大学教養学部准教授

“どんなに公然陳列を処罰しても、客になったりダウンロードしたりすることが違法でない限りは、被害を受けた子どもの画像が出回るのを抑制することは根本的に難しい。”

コーディネーターの大森氏は、パネルディスカッションを締めくくるにあたり、ブロッキングを受けて入れていない海外のサーバーを通してやり取りが可能であることとP2Pの問題がある限り、ブロッキングだけでは児童ポルノ対策にならないことを指摘。また、公然陳列の処罰化だけでは、児童ポルノ流通の抑制は難しく、客(=児童ポルノの購入者)になることやダウンロードすることを処罰化し、需要を根本的になくす対策をとらなければ、児童ポルノをなくすことは難しいと断言しました。

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【閉会挨拶】 スーザン・ビッセル ユニセフ本部事業部部長補・子どもの保護チーフ

“子どもをあらゆる搾取から守るためには、経験、献身、知恵そして子どもと子ども時代への敬意が必要不可欠である。…世界は依然として子どもたちへの思いやりに欠けている。毎日、すべての国で、あまりに多くの子どもたちが危険に晒されている。”

スーザン・ビッセルは、昨年12月に発表されたユニセフ・イノチェンティ研究所による報告書「インターネット上の子どもの安全−グローバルな挑戦と戦略−」から、インターネット上の搾取から子どもを守るための4つの戦略(①子どもたちをエンパワーメントする、②児童虐待者に刑罰を負わせる、③有害サイトの利用や有害情報へのアクセスを削減する、④被害児童の回復と社会復帰を支援する)を引用し、子どもたちがインターネット上のさまざまな情報に安全にアクセスする権利を持つと同時に、あらゆる形態の暴力、性的虐待、搾取から守られる権利も有すること、また、政府、国会議員、市民社会、民間企業、子どもに関わる専門家、保護者そして子ども自身が協力して、インターネット上の子どもの保護に取り組む必要があるとしました。さらに、児童ポルノの単純所持規制はもちろん、意図的に児童ポルノにアクセスすることも規制する必要があること、そのため日本が一刻も早く児童ポルノの単純所持を規制することが重要だと訴えました。

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