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20年目の世界母乳育児週間【2012年8月1日 ニューヨーク発】
8月1日から7日までの1週間は、世界母乳育児週間です。今年で20周年を迎える世界母乳育児週間に際し、ユニセフは、母乳育児を支援する力強い国の対策が、毎年、世界で5歳の誕生日を迎える前に命を落としている100万人近くの子どもたちの命を守ることに繋がると訴えました。 毎年何百万人もの子どもたちの命を奪っている下痢性疾患や肺炎のような病気は、完全母乳育児によって予防することができるという有力な証拠があるにもかかわらず、世界の母乳育児普及(実施)率は、長期間にわたってほぼ停滞した状態が続き、1995年時点では32パーセントだった母乳育児を行う母親の割合は、2010年でも39パーセントの上昇に留まっています。 「母乳育児がさらに効果的に推進され、母親が(乳児用粉ミルク等の)母乳代替品の強引なマーケティングから守られる環境が整えば、より多くの子どもの命を守り、成長を促し、病気の罹患率や栄養不良、発育阻害のさらなる低下も見られるようにできるはずです」。 ユニセフのアンソニー・レーク事務局長はこう話しました。
母乳育児率の改善を妨げているもの。それは、世界各地に広がる母乳代替品製造・販売業者による非倫理的なマーケティングであり、多くの国が出産育児休暇を認めていない状況であり、母乳育児を実践しないことに伴うリスクに対する理解の不足です。 今年6月、ワシントンD.Cに世界の指導者が集まって開催されたハイレベル会合“The Child Survival Call to Action”(子どもの命を守るための世界的行動を求める会議−仮訳)では、「子どもの生存への約束:あの約束を再び」と呼ぶ世界キャンペーンの一環として、予防可能な子どもの死亡を根絶するための活動を実施することを約束しました。世界母乳育児週間は、子どもの死亡の削減に果たす母乳育児の重要な役割を改めて強調する好機を提供しています。 2008年、医学専門誌ランセット(Lancet)は、母乳育児を受けていない子どもは、完全母乳育児で育った子どもよりも生後6ヵ月間で命を落とす割合が14倍も高いという驚異的な事実を明らかにしました。母乳は、赤ちゃんが必要とする全ての栄養素を含んでいます。そして、母乳による育児は、子どもたちの命を守るための数ある手法の中でも、お母さんが適切な栄養さえ摂れる状況さえ確保できれば実施可能な、最も費用対効果の高い手法のひとつなのです。 「母乳育児は、赤ちゃんだけでなく、母親や家族にとっても恩恵を与えるものであることは言うまでもありませんが、その恩恵は、長期的な視野に立った時、各国政府の社会的支出を抑制するための有効な手段の一つとしても見る必要があるのです」(レーク事務局長) |