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財団法人日本ユニセフ協会

パートナー 協力企業・団体

ラオス指定募金

関西・中四国18生協より、1995年度から2014年度までご支援いただきました。

ラオスの女性と女の子をとりまく環境

女性の地位向上という分野で少ずつ進展してきましたが、女性の地位向上の進度は遅く、公的また経済活動における女性の機会は男性に比べてまだずっと低い状態です。

また、初等教育へのアクセスは今なお女の子にとって重要な課題です。たとえば、以下のような原因により、女の子の教育がさまたげられています。

  • 年下の兄弟/姉妹の世話、農作業や他の家事手伝いなどの家庭内での女の子の責任
  • 衣服や学用品の費用や、女の子がしていた労働に対する機会費用といった財政的要因
  • 最寄りの学校への距離や学校までの道のり、男女別のトイレがないといった物理的要因
  • 学校カリキュラムの妥当性、指導の質の低さ、物理的に不適切な施設、とくに水と衛生施設の不適切さといった教育的要因 ・ 親の理解の深さや文化的慣習のような社会文化的要因

ラオスの小学校就学年齢児の平均20%(女の子は21%)、約135,000人の子どもたちは小学校に通ったことがありません。小学校に入学しても、特に低学年での留年率が高く、1人の子どもが5年間の初等教育を修了するのに平均8年かかり、小学校の修了率も57%にすぎません。

ユニセフは、ジェンダーに配慮しながら、コミュニティと一体となって子どもたち(特に女の子)が学校に通えるようにするための支援を行っています。

支援活動のあれこれ

●地域の早期学習センター設置

母親と年長の姉妹たちが教育や他の機会を得られるように、幼児のための地域に根ざした早期学習センターを設置します。

●米銀行の活用

ユニセフは、米不足の家庭に低利子で米を貸し出すという米銀行を支援してきました。ユニセフは、当初のお米を提供し、米銀行の管理者を育て、その後、村で米銀行を運営しています。米銀行の利子で得られた村の収益を、村の学校教育に生かせるよう、米銀行の活用をすすめます。

●学校設備の改善

校舎の改善のほか、特に給水設備やトイレの設置などの支援を行います。

●地元独自の課外活動の開発

生活に関連したカリキュラムがないために、教育を評価しない親もいます。そのような現状に対応するため、織物、陶芸、自転車修理など、地域の職人を招くなどした、地元の生活に関連した課外カリキュラムを実施します。

●学校外教育

学校へ通ったことのない、あるいは中途退学した青年期の女の子のために、ライフスキル教育、特に健康管理や衛生、ジェンダーの役割などについて学ぶ機会を提供します。

今までの支援活動の成果から(2005年)

  • 19村に38基の井戸と10村に392の家庭用トイレが作られました。又、井戸やトイレのメンテナンス方法についての研修が行われました。これにより、安全な水が家の近くで手に入るようになりました。
  • 3つの小学校と1つの幼稚園が建設されました。家の近くに学校ができたことで、多くの子ども達が通えるようになりました
  • 村で乳幼児期の子どもの発育や教育を支援する県や郡レベルの指導者へ研修を行いました。研修を受けた指導者は44村で2,450人の親に育児指導を行っています。
  • 村の米銀行は、米不足の時に低利で村人に米を貸し出しています。94村から376人の米銀行委員会のメンバーが米銀行の運営管理についての再研修を受け、米銀行の収益を子ども達の教育へあてるようになりました。
  • ラオスでのHIV/エイズ拡大を防ぐために、HIV/エイズに関するセミナーを開き、15村から2,298人が参加し、HIVエイズの予防や正しい知識について学びました。
  • ラジオは農村でも普及しているメディアです。22のラジオ番組でラオ語、モン語、クム語を使って乳幼児期の発育や女性の保健教育をオンエアし、187村の村人が聞きました。又、ラジオが受信できない遠隔地では、カセットテープ300本が配布されました。

米銀行ができて

ラオス北部にあるサンキン村は、米銀行ができる前は、村の71%が1年に5〜7ヶ月も米不足に苦しみ、100%の高利で米を借りていました。

2003年にユニセフの支援で5トンの米が支給され、村人は米不足の時は10%の利率で米銀行から米が借りられるようになりました。2003年4月に50世帯が米銀行から米を借り、収穫後の12月には利子も含めて全てが返済されました。

米銀行の収益は、経済的に困難な状況にある20人の女の子の支援や、村の学校の改修、学校用の教材の購入などにあてられました。

米銀行ができたことで、村人の生活には余裕ができました。100%の利率で借りた米を返すために、隣の村の田んぼであくせく働く必要がなくなり、今は村の中の農場で働いています。空いた時間を幼い子どもたちの世話にあてることができるようになり、乳幼児の発育にとっても良い影響がありました。

サンキン村の米銀行は効果的に運営されており、収益は引き続き女子教育の支援に使われる予定です。

支援対象のホアパン県は8年間でこんなに変わりました

指標

1995年

2003年

トイレのある家庭の割合

36%

49%

安全な飲み水がある家庭の割合

2%

22%

成人(満15歳以上)の識字率(女性)

41%

54%

成人(満15歳以上)の識字率(男性)

71%

85%

初等教育純就学率(女の子)

55%

69%

初等教育純就学率(男の子)

72%

80%

5歳未満児死亡率(出生1000人あたり)

240人

58人

 

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