小学校に通うことができない子どもの数は、2000年には世界で1億人でしたが、2013年には5,900万人にまで減っています。しかし、こうした改善の一方で、子どもたちの教育を阻む大きな障壁となってきているのが「紛争」です。現在、初等教育を受けられない子どもたちのうち、およそ50%が紛争の影響下で暮らしており、その割合は年々増大しています。
紛争地の子どもたちの多くが、暴力や避難生活による危険に絶えずさらされるだけでなく、自立に必要な読み書きも身につけられないまま大人になっています。
小学校に通うことができない子どもの数は、2000年には世界で1億人でしたが、2013年には5,900万人にまで減っています。しかし、こうした改善の一方で、子どもたちの教育を阻む大きな障壁となってきているのが「紛争」です。現在、初等教育を受けられない子どもたちのうち、およそ50%が紛争の影響下で暮らしており、その割合は年々増大しています。
紛争地の子どもたちの多くが、暴力や避難生活による危険に絶えずさらされるだけでなく、自立に必要な読み書きも身につけられないまま大人になっています。
世界では今、20ヵ国以上で子どもたちが戦火に巻き込まれ、教育の機会を奪われています。紛争は子どもたちの日常を一変させ、住み慣れた町も、学校も、家も、すべてをがれきに変えてしまいます。多くの子どもたちが避難生活を強いられ、生きのびるだけで精一杯の日々を過ごすうち、学校に戻れなくなっています。
2011年から戦闘が続くシリアでは、すでに子どもの人口の1/3が、平和な時代を経験したことがない世代となっています。パレスチナやスーダン、コロンビアのように、避難生活が数十年続いている地域もあります。生きる希望を失い、争い以外の世界を知らずに成長する子どもたちは、自身を危険から守ることも、平和な社会の一員となることも困難になります。
イラク北部の難民キャンプ近くで避難生活を送ってきた12歳のハディジャは、幼い頃から学校が大好きな女の子でした。
しかし数年前、故郷の町で激しい戦闘が起き、家も、学校も、大切にしていた本も、すべてを失いました。家族は安全な場所を求めて避難することになり、以来ずっと、厳しい避難生活を続けています。ハディジャは、びんの裏に書かれた文字を読もうとして、ため息をつきました。
本来なら6年生に進級しているはずのハディジャは、長い間学校に通えずにいたため、字の読み方が分からなくなっていたのです。
人道危機の現場において優先されるのは、水や食料、医療など命に直結する救援活動です。
しかし、教育も命を守る支援と等しく、子どもたちに不可欠なのです。
ユニセフは、人道危機の発生後ただちに仮設教室や「子どもにやさしい空間」を開設し、危機にさらされやすい子どもたちを暴力や搾取などの被害から守っています。
悲惨な光景を目撃したり家族を失うなど、つらい体験をした子どもたちには、勉強や遊びを通じて心のケアを行ないます。先生たちへの研修も実施しています。
紛争ですべてを失くした子どもたちも学校に通えるよう、スクールバッグや学用品の提供を急いでいます。年長の児童には、技能訓練や平和構築などの授業も行ないます。
世界中の紛争地や避難地域で、給水支援や予防接種、栄養治療などの救援活動を行なうとともに、多くの子どもたちの命と成長を支え続けています。
読み書きの練習に必要なえんぴつとノートのセット49人分に変わります。
学校で使う文房具一式が入ったスクールバッグ16人分に変わります。
子どもたちの衛生状態を改善し病気を防ぐ、学校用の簡易手洗い場1ヵ所に変わります。
スポーツや遊びを通して心を癒すレクリエーションキット1セット(90人分)に変わります。
緊急下でも授業が開けるよう40人分の教材が入った「箱の中の学校」2セットに変わります。
※ご寄付の金額は任意です。※輸送や配布のための費用は含まれません。※2016年5月現在の価格
難民キャンプのテントの中で、真新しいバッグを背負って姉と学校に行く準備をしているのはアーメディです。姉妹は2年前にシリアで父親を亡くし、家族とともにトルコに避難してきました。それ以来学校に通えずにいましたが、キャンプ内にユニセフの学校ができ、再び勉強できるようになったのです。5,000円のご支援が、学校で使う文房具一式が入ったスクールバッグ16人分に変わります。シリアから周辺国に逃れた難民の子どもたちのうち、今も70万人が学校に通えずにいます。
私が教育担当官としてアフリカで働き始めて、今年で6年目になりました。現在赴任しているコンゴ民主共和国は、広大な国土と豊かな自然に恵まれた国です。しかし、1960年の独立以来、長期に及ぶ政情不安とそれによる紛争が続いており、今でも東部や南部で武力衝突が起きるたびに多くの避難民が発生しています。一度他の地域に避難してしまうと、子どもたちは学業を再開することが難しく、そのまま教育から遠ざかってしまいます。現在、国内で370万人近くの子どもが紛争の影響下にあり、うち13万人が隣国のブルンジと中央アフリカ共和国からの難民です。ユニセフは、難民を含むすべての子どもが学校に通えるよう、仮設教室の開設や教材の配付、教員の研修などに奔走しています。
ユニセフの文房具が届いた教室
卒業証書を手にした子どもたち
前任地だった西アフリカのリベリアでは、コートジボアールから逃れてきた子どもたちのために、4つの難民キャンプ内に小学校をつくりました。言葉も習慣も違う異国で避難生活を送る子どもたちが少しでも安心できるよう、難民の中から元教員を探すなどして、本国と同じ授業を行なえるようにしました。第一回目の卒業式で、卒業証書を手にした子どもたちの輝くような笑顔を見た時には、保護者たちと同じく胸が熱くなりました。卒業証書はいつか本国に戻った時にも有効で、子どもたちの一生を支える力となります。
私は大学時代に「世界がもし100人の村だったら」という本に出合い、世界では大学に通えるのは100人に1人、という事実を知りました。自分がいかに恵まれていたかを思い知らされ、それ以来、世界の子どもたちのために役立つ人間になりたいと願って、今に至っています。これからも、未来への可能性に満ちた子どもたち一人ひとりが、それぞれの能力を最大限に伸ばせるような教育活動を実施していきます。
元気に学ぶ子どもたち
ユニセフは、世界150以上の国と地域で、子どもたちの命と未来と守るために、保健、栄養、水と衛生、教育、暴力や搾取からの保護、HIV/エイズ、緊急支援などの支援活動を実施しています。その活動資金は、すべて個人や企業・団体・各国政府からの募金や任意拠出金でまかなわれています。
ユニセフは、世界34の国と地域にユニセフ国内委員会を置き、募金、広報、アドボカシー(政策提言)活動を行っています。
1955年に設立された日本ユニセフ
協会(ユニセフ日本委員会)は、
ユニセフ本部との協力協定に基
づく日本におけるユニセフ支援
の公式機関です。
当協会のユニセフ本部への拠出額と拠出率は、2015年も、世界34のユニセフ協会(国内委員会)の中でトップレベルを維持しました。 収支と活動について詳細をご報告しています。>
※1 管理的費用とは、人件費(正味財産増減計算書の給料・報酬、福利厚生費、退職給付費用、賞与引当金繰入額)及び事務運営費(光熱水費、火災保険料、施設管理料、建物減価償却費、什器備品など減価償却費)です。この費用は、新公益法人会計基準に則り、一般会計の各事業に配賦されています。また、管理部門に掛かる事務運営費・人件費は、同会計基準に則り、一般会計とは別に法人会計に計上されており、一般会計と東日本大震災緊急募金特別会計と法人会計を合わせた全経常費用計に占める管理的費用の割合は、2.6%です。詳しくは正味財産増減計算書をご覧ください。
※2 2015年のユニセフ本部への拠出金15,000,000,000円は、一般会計経常費用計18,599,944,363円の80.6%、ユニセフ募金(受取募金と受取グリーティングカード募金)合計18,487,485,746円の81.1%にあたります。
監査報告書
(公財)日本ユニセフ協会は、監事及び会計監査人の監査を受けています。
世界中で、命にかかわる重度栄養不良の子ども200万人に栄養治療を行ない、2,260万人に安全な水を提供、1,130万人の子どもにはしかの予防接種を実施するなど、幼い命を守る多くの人道支援を行ないました。
紛争が続くシリアでは、約300万人の乳幼児にポリオワクチンを接種し、84万人を超える子どもに心のケアを実施、大地震に見舞われたネパールでは、76万人以上に生活用水を届け、子どものための保護施設226ヵ所を開設しました。
当協会への個人のみなさまからの寄付金(賛助会費も含まれます)は、「税額控除」の対象となります。
当協会が公益財団法人へ移行した2011年4月以降の寄付金から、従来の「所得控除」に加えて「税額控除」の
どちらか有利な方式を選択できます。「税額控除」を選択されると、多くの場合、従来よりも控除額が大きくなります。
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