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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

寄宿舎兼ねた教室 さびしさに耐え学ぶ
<ブータン>


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見上げていた小高い山がどんどん眼下に広がる素晴らしい眺望に変わっていく。目の高さにぽっかり雲が浮かんでいる。いろは坂のような道を車で1時間上がると、2000メートルの山の上にワンドゥ県ガセロ村ガセロ小学校があった。

約40年前に建てられた校舎はブータンの伝統的な建物でかなり古い。在校生は540人。男子が275人。女子が265人。「昔は女の子がとても少なかったのですが、女の子の数が非常に増えました」と校長先生。この小学校では200人の子どもたちが寄宿生活を送っている。

板ばりの広い部屋は昼間は教室に使われ、夜は寄宿舎になる。子どもの数が急に増えたので、教室が不足しているからだ。部屋の両側には小さな敷き布団と掛け布団が丸められて並んでいる。子どもたちの荷物はほかに細々した物をいれる箱が一つだけ。

建物にはユニセフ支援のプラスチック窓が入っている。勉強する場所であり、寝泊まりする場所でもあるので壊れにくく、光が入り、寒さを防ぐプラスチック窓は重要だ。ブータンで、ユニセフは政府と非常に良好な協力関係を持ち、小学校、中学校にプラスチック窓、トタン屋根、教科書、副読本、水道器具などの支援を行っている。

子どもが一人、熱を出して寝ていた。小学校一年生。そばにいる小さな女の子が心配そうにしている。親元を離れている子どもたちはさびしさや病気に耐えて勉強しているのだ。

校長先生に「小さな子どもは親と一緒に生活することは大切だと思うが」と質問した。「小さな子どもはかわいそうだと思うが、教育を受けることは子どもの将来のために何より大切だ。学校では子どもを大切にするよう努力している」。校長先生は学校内で生活している。低学年の子どもが多いので、病気になる子どもが出たりすると心配で夜も眠れないこともあるそうだ。

ブータン政府は、すべての子どもたちが初等教育を受けられるように事業推進に努力している。ブータンの子どもたちのキリッとしたまなざしは、しっかりと学ぼうという気持ちの表れに違いない。

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