メニューをスキップ
HOME > 世界の子どもたち > ストーリーを読む
財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

ボリビア:HIV/エイズと共に生きる女性が、母子感染予防で活躍

【2008年8月8日 ボリビア発】

マリア・イサベルさん(23歳)は、HIV/エイズとともに生きるお母さんです。息子が生まれた時、HIVの母子感染が危惧されていたので、彼女は息子の検査に同意しました。

「息子が1歳6ヶ月の時、私たちは“エリサテスト”と呼ばれるエイズ検査を受けました。結果、息子は陰性とわかりました。」(マリアさん)

息子がHIVに感染していないことに胸をなでおろしたマリアさんは、故郷に戻り、彼女自身の抗レトロウィスル薬治療を始めました。

他の人々も助けながら・・・

レッドボルは、ユニセフが支援するHIV/エイズと共に生きる人々を支援するボリビアのNGOです。
c UNICEF Bolivia/2008
レッドボルは、ユニセフが支援するHIV/エイズと共に生きる人々を支援するボリビアのNGOです。

治療に通うラパズ病院で、マリアさんは、地元のNGO“レッドボル”のスタッフに話かけられました。“レッドボル”は、ユニセフの支援を受け、サポートグループやその他の支援活動を通して、HIV/エイズと共に生きる人々への活動を行っています。

「レッドボルの支援グループに参加すると、生きることへの大きな希望が湧いてきます」と、最初は、とても孤独を感じていたというマリアさんは話します。「ボリビアには、HIV/エイズと共に生きる人々に対する偏見や差別があります。医療に携わる人々の中でも見られるのです。HIV/エイズの知識がないので、そういう人々にどう接したら良いかわからないのです。ですから、HIV/エイズ感染と診断されたら、誰も手を貸してくれなくなります」。

レッドボルの会合で、HIV/エイズについての知識を得れば得るほど、マリアさんは、熱心にその活動に参加するようになりました。レッドボルのボランティアとなって2年あまり。マリアさんは今、妊婦さんたちへのカウンセリングを通じ、胎児の定期検診の一環として、HIV感染テストを受けることの重要性と、HIV/エイズと共に生きている全ての人々、特に女性や子どもたちへの差別を克服することの重要性を訴えています。

「私自身の経験を基にして、母子感染をどのように防ぐか、赤ちゃんに十分な栄養を与えることができるかなど、妊婦さんたちにアドバイスをすることに、大きなやりがいを感じています。」(マリアさん)

救うことができる命

生後数ヶ月の間に治療を行うと、子どもたちの生存率は劇的に改善します。HIV/エイズと共に生きる子どもたちの大多数を、小児用抗レトロウィスル治療とコトリモキサゾール(低価格で、HIV陽性の子どもたちの生存率を上げることができる抗生剤)の適切な投与によって、救うことができるのです。

マリアさんは、HIV/エイズと共に生きるお母さんが出産する病棟に頻繁に通います。HIVと共に生きる人々が、HIVに感染させないで赤ちゃんを産んだ実例を紹介し、お母さん方に希望を与えているのです。

マリアさんは、こうアドバイスします。「もうやるしかありません。後戻りはできないのです。現実を受け入れること、HIV/エイズと共に生きることを学ばなければなりません。決して容易なことではありませんが、できないことではありません。子どもたちのために、やるしかないのです。」

「子どもとエイズ世界キャンペーン」

トップページへコーナートップへ戻る先頭に戻る