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エルサルバドル 暴力反対キャンペーン・キックオフ【2007年1月19日、米国ニューヨーク発】
子どもたちを取り巻く問題は、子どもたち自身がもっとも的確に伝えることができます。この理念が、エルサルバドルで行われた「小さなレポーターが伝えるニュース」番組企画の背景にあります。ユニセフが支援するこの番組は、子どもを取り巻く問題に対する子ども自身の意見をうったえる場として試験的に制作されました。 12歳のディエゴ・ガブリエル・フィグエロアと8歳のアレッシャンドロ・ファジャは、この特別な役割を任せられた若き報道記者です。 ディエゴとアレッシャンドロは、この機会を利用してエルサルバドルの「暴力反対キャンペーン」発足式に参加したユニセフ親善大使、シャキーラ・メバラクさんを取材しました。子どもたちは質問をすべて自分たちで考え、おとなの助けをほとんど得ることなく報告をまとめたのです。 広まりつづける問題エルサルバドルの青少年の間にはびこる暴力はかねてからの問題です。現在、この問題を解決できる効果的なメカニズムはありません。エルサルバドルは、世界の国々の中でも、とくに社会的な暴力が蔓延している国のひとつなのです。 エルサルバドルの首都サンサルバドルの街角でディエゴとアレッシャンドロがインタビューした人々は、この問題に対して強い憤りを感じていました。 ある学生は小さなレポーターに次のようなコメントをしました。「社会に対する怒りや悲しみをほかの形で表現できないとき、暴力はそれを表現する唯一の手段になるんだ」 別の若者も言います。「僕たちはテレビでさまざまな形の暴力を目にする。銃で撃ったり、お互いを殴りあったり。そういった暴力を見て、子どもたちは同じようなことをし始める。小さい子どもは自分が見たもの全部をマネようとしてしまうからね」 暴力反対の行進2006年の秋に国連事務総長が「子どもに対する暴力調査報告書」(本部特設サイト(英文))を発表して以降、多くの国が独自にキャンペーンを立ち上げるなど、対策を強化しました。エルサルバドルでは2006年の11月、サンサルバドルで「暴力反対をうったえる行進」が開催され、6,000人の学生と2,300人のボーイ・ガールスカウトを含む8,000人以上の子どもたちが参加して、このキャンペーンが始まりました。 行進が開催された日、ディエゴとアレッシャンドロは多くの子どもたちにキャンペーンについてインタビューを行い、さらにエルサルバドルの教育大臣であるダーリン・メザ氏とも話し合う機会を得ることができました。彼女は言います。「私たちはこのキャンペーンがエルサルバドルに住む子どもと青年、おとな、すべての人々の目を覚ますことができると信じています」 行進は終点であるサン・サルバドル・スポーツ・パレスに到着し、シャキーラさんが集まった人々に語りかけました。 シャキーラさんへのインタビュー
行進が終了したあと、小さなレポーターとしてディエゴは舞台裏でシャキーラさんにインタビューを申し込み、彼女はそれを快諾しました。 ディエゴは世界的に有名なシンガー・ソングライターにこうたずねました。「子どもである僕たちは、暴力を無くすために何ができると思いますか?」 シャキーラさんは答えました。「教育を受けることは、私たちの未来にとってとても大切なことのひとつです。夢を抱きつづけてください。夢は実現することができるものだからです。でも、実現のために暴力という手段にうったえてはなりません。暴力をふるわない人たちには、人生の中で、素晴らしいとても大切なことを実現することができる、より大きな可能性があります。私はみなさんに、暴力ではない、ほかの選択肢があることを伝えに来たのです」 |