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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

<2002年6月26日 信濃毎日新聞掲載>

ワールドカップ
サッカーに人道的テーマを託して

 世界中が注目するサッカーのワールドカップ。この大会が、子どもの権利を守るための世界的な誓いである「子どものための十の約束(Say Yes for Children)」というテーマのもとに開催されていることをご存じでしょうか。
 今回、国際サッカー連盟(FIFA)とユニセフは、子どもたちの権利を守るために、世界的なパートナーシップを結びました。ユニセフは世界でもっとも愛されているスポーツであるサッカーを通して、地球でもっとも大切な子どもたちに、未来と希望を与える社会の実現を呼びかけています。そのための大きな第一歩が、「Say Yes for Children キャンペーン」です。

 このキャンペーンは、すべての子どもによりよい世界をもたらすために必要な十の約束を実行し、責任を果たそうという呼びかけです。この呼びかけには、「子どもの声に耳を傾ける」「子どもたちを紛争から守る」、また「貧困と闘う」といった内容が含まれます。このようにワールドカップが人道的なテーマのもとに開催されるのは今回が初めてです。

 私たちが世界中から集まったサッカー選手たちのプレーに酔いしれる一方で、世界にはサッカーを楽しむこともままならない子どもたちがたくさんいます。30日間に及ぶ大会期間中、100万人の子どもが栄養不良、あるいは簡単な治療で予防しうる病気で命を落としています。また、サッカーの試合90分間に15歳から24歳までの若者540人がHIVウイルスに感染し、85人がエイズで死亡。さらに400人の子どもたちがエイズのために親を失う計算になります。

 こうした世界の現状に目を背けることなく、ワールドカップを通して、世界の困難な状況にある子どもたちの直面するさまざまな問題に人々の関心を喚起すること。選手をフィールドにエスコートする子どもたちの黄色いTシャツに赤く彩られた「Say Yes for Children」の文字には、子どもたちのために行動しようと世界中に呼びかける、FIFAとユニセフの熱い思いが込められているのです。

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