|
|
<2002年1月21日 信濃毎日新聞掲載> 35カ国の代表 性的搾取根絶訴え昨年12月20日、クリスマス用のイルミネーションに彩られた横浜・みなとみらい地区を望む国際会議場は、子どもたち、若者たちの歌声と大きな拍手に包まれました。 17日から20日にかけて開催された「第2回子どもの商業的性的搾取に反対する世界会議」は、子ども買春、子どもポルノ、またそうした目的の子どもの人身売買を根絶することを目的にした国際会議で、日本政府やユニセフ、国際的なNGOなどが共催で開きました。各国政府、国際機関、研究者、NGO等市民グループなどの人々が、対等の立場で参加し、活発に意見を交換し合うユニークな会議でした。もうひとつとても大切な側面がありました。それは、子どもたち、若者たちの参加です。 子どもたちの問題を議論する場に、大人しかいないのはおかしいのではないか、当事者である子どもたちも参加するべきではないか。こうした考え方から、今回の会議には、35カ国から11歳−25歳の子どもと若者93人が、若い世代の代表として正式に参加しました。 彼らは、世界会議に先立つ14日から合宿生活をしました。子どもの商業的性的搾取がどんなに子どもを傷つけるのか、被害にあった子どもをどうしたら救えるのか、そしてこうした人権侵害をなくすために自分たちは何をしなくてはならないかなどについて話し合いました。約1週間寝食をともにし、文化や言葉の壁を少しずつ乗り越えながら、子どもたち、若者たちは、子どもの性的搾取をなくしていくための提言を作り上げました。 世界会議最終日の20日、93人の子ども・若者たちは舞台の上にいました。子ども買春や子どもポルノは、私たちみんなの生活に深くかかわる問題であること、知識や経験を共有し、国や立場を越えて手を取り合わなくてはいけないこと、活動を支援する基金が必要なことなど、具体的で切実な訴えを心をこめて伝えました。 そして、子どもたちは言います。「わたしたちの、そして今日ここに来ることのできなかった多くの子どもたちの声を聞くことは、世界が正しい方向に向かっていく第一歩です」 |