ハリケーンで被災 心に深い傷
<ホンジュラス>
昨年10月に中米各国を襲ったハリケーン「ミッチ」。これまで7千人の犠牲者を出し、1万2千人が行方不明となっています。また、各地で起った洪水によって道路は寸断、橋は破壊され、50万人がホームレスとなりました。このようなインフラストラクチャーへの損害が目に見えて大きい一方、被災者、特に子どもへの精神的影響も深刻です。ハリケーンによって家族を亡くしたり住む家を失った子どもたちは、心に深い傷を負い、ふさぎ、不安、暴力的行為、食事や睡眠の異常などの症状を見せるのです。
ハリケーンによって特に大きな被害を受けたホンジュラスでは、子どもたちの心の傷を癒(いや)すためのテレビ、ラジオによるキャンペーンが始まりました。子どもたちが出演、制作したキャンペーン用のCMは、ハリケーンの結果受けた最も深い心の傷や、それが子どもたちの教育や家族、友達との関係にどのような影響を及ぼしたかを描いています。このメディアキャンペーンはユニセフが支援した精神的回復のためのワークショップから生まれ、実現したもので、7つのテレビ局と100のラジオ局がCMを流しています。
つらい経験によって深く傷つけられ、圧倒された子どもたちは悪い記憶を抑え込もうとします。しかし、これは記憶や感情の抑圧につながり、時間がたっても心の傷は治りません。心に傷を残した出来事について表現し、悪い記憶に立ち向かうことが回復のための手段のひとつになるのです。被災地においてはこのような精神的リハビリテーションも大切な活動です。
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