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≪2005年3月8日 信濃毎日新聞掲載分≫ 大地震 カウンセリングで支援
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地震により村の90%が壊滅的な被害を受けたケルマン州ダホイエ村 |
この地震による死者は600人余、負傷者は1400人に上ったと報じられています。地震直後に16の村で行われた調査によると、地震で犠牲になった子どもの数はおよそ30人、そのほかに20人の子どもが親の片方もしくは両方からはぐれていることが判明しました。
こうした事態の中、ユニセフは、インドネシア・スマトラ島沖地震・津波のときと同様、とても迅速に対応しました。イラン保健省からの要請を受けて、バムにある国内の倉庫から、400基のトイレとプラスチックシート273枚を積んだトラックが、地震翌日の23日午後、バムの町を出発し、その日の夕方にはザランドの町に到着。その翌日には、トイレ120基と14の大型テントを積んだ2 台目のトラックがザランドに向かいました。テントは被災地域の子どもたちを含め生き残った人々の心理カウンセリングをするための場所を建てるため役立てられます。
ユニセフの緊急支援調整官のスティーブン・ロウェリエさんは、地震当日に現地入りし、被害状況の把握に乗り出しました。「被災した人たちの中には、気温が氷点下にも達する極寒の中、屋外で夜を明かした人たちもいます。地震による地滑りでふさがれた道路は地震の翌日には復旧して、救援チームが休みなく活動を続けています。」被災地入りした次の日、ロウェリエさんはこう述べました。
地震発生当時、ちょうどバムへ向かおうとしていたユニセフ・イラン事務所のカリ・エッゲ代表は、同行していたユニセフの教育担当官らと被災地へ急行しました。各担当官は、それぞれイラン赤新月社や州当局、イラン保健省などと被害状況の評価や国際支援の必要性について話し合いました。その結果、ユニセフは保健省からの要請を受け、支援物資の輸送に取りかかったのです。
今回の自然災害では、トラウマ(心的外傷)カウンセリングの研修を受けた専門家を、地震で心に深い傷を負った人々の支援のため派遣することも予定されています。
政治や信条、宗教などの違いに関わらず、支援を必要とするすべての子どもたちのために、ユニセフはここ、イランでも活動を続けています。