<信濃毎日新聞2003年9月30日掲載>
世界の友達と一緒に公園造り
<日本>
子どもたちのアイディアをもとにした公園があってもいいのではないか。「ユニセフパークプロジェクト」は国土交通省と日本ユニセフ協会が協力して進める、子ども参加の公園造りプロジェクトです。自然や人、世界と触れ合う「国際ワークキャンプ」に参加した子どもたちが出したアイディアを将来の造園計画にもりこむという、これまでにない取り組みが実践されています。
今年8月、国営明石海峡公園神戸地区(ユニセフパーク予定地)を中心に、2回目の国際ワークキャンプが5泊6日のプログラムで行われました。参加者は、フィリピンとタイからの計10人を合わせた約40人の子どもたちと、キャンプの運営をサポートする約40人のファシリテーターの大人たち。
公園予定地の里山で、視覚に頼らない方法で探検したり、イノシシなどの森の生き物になりきって巣穴をつくるなどの冒険をした後、子どもたちはグループで気に入った場所を決めました。のこぎりなどの道具の使い方を学習したら、いよいよ子どもの手による遊び場造り。「音や足の感覚を楽しもう」「恐竜の森で遊びたい」「木登りができる見晴らしのいい遊び場がいいな」−。
海外の子どもとの異文化交流から広がったアイディアは、次々と新しい遊び場として誕生していきました。
フィリピンから参加した14歳の女の子、エデンは「フィリピンでは子どもが参加するプログラムはたくさんあるけれど、実際にいろいろな国の子どもとアイディアを出し合って遊び場を自分の手でつくるなんて初めて!」。フィリピンの子どもネットワークNGOに所属する彼女は、世界の子どもにとって大切なことは何?
との問いに「平和であること、子どもの意見が尊重される環境」と答えました。
子どもの権利条約では、子どもが心も体も健康に育つこと、子どもに関することについて自由に意見を表明する権利がうたわれています。「子どもにやさしい空間」の公園を「子どもが参加」して造る試みは、今年で3年目を迎えています。
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