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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

子どもポルノ−法改正を求める人々

【2010年3月31日 東京発】

ユニセフ本部ホームページより】

© Japan Committee for UNICEF/2010
NGOの代表者らと一緒に、児童ポルノに関する法律の改正を求めた署名を提出する日本ユニセフ協会の早水研専務理事(左から2番目)とアグネス・チャン日本ユニセフ協会大使(左から3番目)。

日本ユニセフ協会が近年実施している「なくそう!子どもポルノ」キャンペーンは、児童ポルノの製造と販売のみならず、単純に所持する行為も刑事罰の対象とすべく法改正を求めています。

ユニセフは、第1回子どもの商業的性的搾取に反対する世界会議がスウェーデンのストックホルムで開催された1996年から、日本の児童ポルノの問題に取り組んできました。この第一回世界会議を通じて、同会議に参加していた日本政府代表団は、本問題に関する日本の現状を見直し、当時、取締りの対象とされていなかった児童ポルノに対する規制に乗り出しました。

日本ユニセフ協会の早水研専務理事は、ストックホルム会議後、日本の子どもの権利の推進に携わっている人々は、日本の姿勢を変え、法律を改正するために懸命に努力してきたと語ります。「子どもの商業的性的搾取に対する新たな法律制定のために、私たちが国会議員に働きかけてきた活動が実を結び、1999年に新たな法律が作られました。」

インタビュー(英語)はここをクリック »

「なくそう!子どもポルノキャンペーン」

早水専務理事は、今こそ、キャンペーンを一歩先へ進め、子どもポルノの蔓延に対するさらなる行動を起こす時だと話します。技術の進歩によって、子どもの性的虐待を描いた画像などのインターネットを通じた配信が、以前よりも容易にできるようになってしまったため、今何も行動を起こさなければ、こうした種類の暴力や虐待の驚異的な拡大を容認することになると指摘します。

2008年、日本ユニセフ協会は、他のNGO組織などと共に、「なくそう!子どもポルノキャンペーン」をスタート。法改正を求めるため、約11万5,000人の一般市民から、賛同の署名を集めました。

現在国会に提出されている改正法案は、販売や配布を目的としていなくても、児童ポルノを所持することを違法にしています。

敢えて “タブー”を口にする

日本の社会では、長年、一般的に“タブー視”されてきたこの問題を公に口にする人は居ませんでした。児童ポルノのような問題を、人々の目から遠ざけようとする人々がいる中、子どもの権利の保護と実現を訴える人々が、この問題を強く訴えてきたのです。

こうした声を上げてきた人々の一人が、歌手のアグネス・チャンさんです。日本でユニセフの親善大使もしているチャン博士は、長年、児童ポルノの問題に取り組んできました。彼女は、この問題が、日本国内の子どもの権利の実現を考える上で重要な課題の一つと見ています。

「日本は、児童ポルノの最大の輸出国、消費国のひとつとして知られていますが、一方で、既存の法律は不十分な状態です。法改正が必要なのです。」チャン博士は、子どもポルノの製造と販売が規制されていても、所持や購入が許容されていては十分でないと言います。

「もしこうした行為を容認するなら、児童ポルノはこの世から無くなりません。」

子どもの権利を最優先に

今国会の会期中に法改正が実現されることを、チャン博士は期待しています。しかし、表現の自由の権利を制限する、あるいは警察の力が絶大になり過ぎる理由で、いまだ法改正に反対する人々がいます。

こうした人々に対し、チャン博士をはじめとする人々は、児童ポルノが、その被害にあった子どもたちに、いかに悲惨な影響を与えているかを説明する活動も続けています。

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