厳寒の中 寄り添い学ぶ
<キルギス>
中央アジアのキルギス共和国。91年のソ連邦崩壊の際、独立した国のひとつです。国土の3分の2が3000メートル以上の高地で占められています。独立後は旧ソ連からの援助が絶え、財政や官僚制度など国の機能がほとんど破たん、国内は混乱状態に陥りました。この影響で冬になっても燃料が手に入らず、小学校も暖房がつけられないまま授業をするところが多く見られました。
外は氷点下20度の厳しい寒さ。壊れた窓からは氷のように冷たいすき間風が吹き込んできます。子どもたちは毛皮を着たり、何重にも重ね着をしていますが、手は凍え字も書けないような状態です。ある学校では先生と子どもたちがしっかり寄り添い暖め合って勉強しています。
当時、ユニセフは燃料の提供と窓にプラスチックシートを張る協力を行いました。暖かい教室で勉強できると子どもたちが大喜びでした。このほか、公用語として教えられてきたロシア語ではなく、母国語のキルギス語の教科書製作に協力。これは今も続いている援助です。こうした現場での援助は大切ですが、子どもたちの状況を解決するには別のレベルでの働きかけも必要です。
ユニセフは報道機関を通じ、キルギス共和国の子どもたちの厳しい状況を国際社会に広く知らせ、同時に政府に解決策を提案し、「教育」にもっと予算を配分するよう働きかけました。ユニセフは燃料、プラスチックシート、教科書のようなハード(物質)面での支援と共に、政府への働きかけ、マスコミへの広報など、政府や国際社会の意識を変えてゆくアドボカシー(政策広報)活動を積極的に行っています。
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