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マラウイのエイズ問題:ユニセフ、孤児を支援【2008年4月30日 マラウイ・リロングウェ発】 チマミケくんは13歳のときすでに、4人の弟妹の面倒をきちんと見ることができるしっかり者でした。昨年、父親がエイズの合併症で他界。その後すぐ、HIVに感染した母親も病の床に伏してしまいました。チマミケくんは学校を退学して、働き始めました。 今、チマミケくんは15歳。毎月、貧困地域での職探しに悪戦苦闘しています。家屋用のブロックを作ったりすることもあります。またあるときには、日に9時間の農作業の手伝いをして、月5ドルを稼ぎます。夕方帰宅すると、チマミケくんは弟の面倒をみます。友達と遊んでいる暇などありません。 家事の負担に加え、弟のブレッシングくん(5歳)は、HIVに感染しています。それでも、チマミケくんは、両親の死後、弟と妹を見捨てようなどと考えたことは一度もないと言います。 「弟たちにとって、父親役を果たすことには慣れました。だから、みんな、僕を尊敬して信頼してくれるんです。僕が一家の稼ぎ手でなくてはならないことは、はっきりしていました。弟たちが元気に成長するのはとても大事なことだから、僕は弟たちの分だけ、しっかりしていなくちゃいけないんです。」と、チマミケくんは弟のブレッシングくんを抱えながら、話します。
コミュニティーの援助 マラウイではチマミケくんのように、一家の大黒柱役を担う子どもの数が増加しています。この国には100万人の孤児がいて、その半数は、エイズにより片親か両親を失くしています。 「ユニセフは、マラウイ政府とともに、コミュニティーの中で活動する市民を通じて、こうした子どもたちを支援しています。」と、ユニセフの乳幼児支援事業担当官、チャリザムジ・マトラは言います。こうしたユニセフと政府の活動がなければ、孤児は差別や経済的・性的虐待、飢え、ホームレス状態や貧困に直面してしまいます。 1年半前、ユニセフが支援するチワサマレ地域にある子どものケアセンターは、チマミケくんが置かれていた状況を発見。ケアセンターから、大豆粉やお米、石鹸、砂糖、ワセリン、豆、調理油の配給がスタートしました。また、二人の弟妹には、毎日、栄養価に富んだオートミール(おかゆ)が提供されています。 「こうした支援は、本当に、僕たちを助け出してくれています。そんなにたくさんの食料がなくても、僕の家族が食べていける分だけでいいんです。」と、チマミケくんは言います。 |