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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

ナイジェリア:子どもの権利を守る出生登録キャンペーン

【2008年9月9日 ナイジェリア・カノ発】

誇らしげに出生登録証を見せるアイシャ・サヌシさん(13歳)。
© UNICEF Nigeria/2008/Yar
ナイジェリア北西部カノ州ダワキン・クドゥ町にある父親の家の前で誇らしげに出生登録証を見せるアイシャ・サヌシさん(13歳)。

ナイジェリア北西部カノ州ダワキン・クドゥ町でアイシャ・サヌシさん(13歳)は誇らしげに出生登録証を見せます。出生登録されていない人たちを、一軒一軒回りながら確認し、出生登録証を発行する普及活動(全州で実施)によって、最近彼女も出生登録証を手にしたのです。彼女の兄、ヌラさん(15歳)も新たに発行された出生登録証を持ってとても嬉しそうです。

このサヌシ一家の子どもたちは、出生登録の「未登録者一掃(モップ・アップ)作戦」が成功だったことを示しています。この活動は、正式な出生登録がなされていないナイジェリアのおよそ230万人の子どもたち——その多くがこの世に生を受けてから出生登録をされることのなかった子どもたち——を対象にした活動です。

「この出生登録証は私の存在を認め、たくさんの可能性を与えてくれるはずです」と、アイシャさん。「この出生登録証で、ナイジェリアのパスポートを確実に発行してもらえますし、上の学校に行きたいと思っても登録が容易になります。また、仕事をしたいと思ったときにも雇主に、必要ならばこれを見せて年齢を証明することもできます。」

この出生登録キャンペーンは、カノ州政府主導で始められました。ユニセフは、国内人口委員会などのパートナーとともに技術的支援を行いました。国内人口委員会は、ナイジェリア国内で唯一、子どもの出生登録を行うことができる法的機関です。

未登録の子どもたちをなくす

ナイジェリアは、子どもの権利条約——第7条で、子どもは出生後直ちに登録されるべきことを明確に謳っている——に批准していますが、ナイジェリアの子どもたちのうち出生登録されているのはわずか30パーセントにとどまっています。

ナイジェリアは、国際条約である「子どもの権利条約」に合わせて国内法の見直しを行い、2003年、全国レベルで、「子どもの権利条例(the Child Rights Act)」を制定しました。ナイジェリアの36州のうち「子どもの権利条例」を設けているのは現在16州となっていますが、それがそのまま出生登録の拡大には至っていません。

ナイジェリアの多くの子どもたちが出生登録されていないことを憂慮し、ユニセフはナイジェリアの国内人口委員会、州教育委員会、州政府・首長問題省などの代表者とともに戦略会議を開催することを提言しました。

「この会議で、出生登録を未処理にしている全ての州が、明確な締め切り期限を設定し、出生未登録をなくすことで合意しました」と、この活動を推進しているユニセフ・ナイジェリア事務所のマリヤム・エンイアズ子どもの保護担当官は話します。

出生登録を継続させる

カノ州政府は、出生登録の作業を計画、実行、モニター、評価するための特別対策委員会を設立しました。

この対策委員会は公共啓発キャンペーンを州レベル・地元レベルで立ち上げ、メディア、地域の伝統的な宗教リーダー、政府関係者もこれに参加しています(ナショナル・オリエンテーション機関からの州の役人や地元の役人も参加)。対策委員会は44の地元政府担当地域で、出生登録についての啓発推進を行い、これを受け入れ、需要を高めていく活動をすることになっています。

カノ州当局と協力して、ユニセフは、4,140人の出生登録特別スタッフを研修し、彼らが一軒一軒家を訪問して、出生登録を推進できるよう支援しています。

ダワキン・クドゥ町の代表、アルハジ・ユスフ・バイェロさんは、この活動を全面的に支援してくれている伝統的リーダーのひとり。この出生登録を進める活動が続けられることを願っています。「政府が、出生登録の『未登録者一掃(モップ・アップ)作戦』のために全ての伝統的リーダーを動員してくれたことに感謝しています。その一方で、この出生登録が続けられることを、全ての政府機関関係者に求めます」と、バイェロさんは訴えました。

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