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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

フィリピン・ミンダナオ島台風被害
ユニセフ、支援活動を開始

【2011年12月20日 フィリピン・ミンダナオ発】

フィリピン南部ミンダナオ島の北・西部を襲った台風がもたらした鉄砲水等によって、これまでに600人以上が死亡。行方不明者は数百人を超えています。

12月16日、フィリピンを襲った台風「ワシ」は、わずか12時間の間に、1ヵ月の降水量を上回る豪雨をもたらし、甚大な被害を及ぼしました。
地すべりや洪水により多くの家屋が倒壊。集落は、山のような木材とグチャグチャになった屋根や壁等に使われていたアルミ材の瓦礫で埋め尽くされています。また、住人と一緒に完全に海に押し流されてしまった家屋もあります。遺体の収容が進められていますが、猛暑により、既に遺体の傷みも始まっています。犠牲者の多くは、いまだに身元の確認ができていません。

ユニセフは、第1弾として、すし詰め状態の避難所に逃れた8,100人を含む約1万人の被災者への支援活動を開始しました。

「大規模な支援が必要です」

今回被災者数は、数十万人を大幅に上回るものと見られており、フィリピン政府と国連機関は、被災地の状況の把握を急いでいます。

清潔な飲料水と衛生施設(トイレ)が、当面の優先課題であることは既に明らかです。最も深刻な影響を受けたカガヤン・デ・オロとイリガンの2つの都市の上水道は機能しておらず、この地域の大部分の住民は、清潔な飲料水を手に入れられないため、水を媒介とする疾患が拡大する恐れがあります。

ユニセフは、特に、5歳未満児の健康と栄養面に焦点を当てて活動しています。また、被災地や避難所にいる子どもの安全の確保にも努めています。

「多くの人々が亡くなったことにショックを受け、心を痛めています。ですが、今は、家を失い、家族と離れ離れになった多くの子どもたちのニーズに応えなければなりません。」「こうした子どもたちは、今後、非常に大きな支援が必要です。子どもたちの健康を保ち、保護し、この衝撃的な経験から立ち直るための支援を行わなければなりません。」ユニセフ・ミンダナオ事務所のトレイバー・クラーク所長は、こう伝えてきました。

備蓄物資を被災地に

ユニセフは、栄養不良状態の子どもたちのための治療用食品、安全な飲料水を確保するための浄水キット、石けんや歯ブラシ、衛生用品の入った衛生キット、仮設避難場所を確保するためのテントや防水シート、母親と乳児の免疫力を高めるためのビタミンA補給剤、病気や不衛生な水による乳児死亡を削減する母乳育児を推進するための指導用教材、日常の感覚を取り戻すために不可欠な遊びを促すレクリエーションキット等、万一に備えてフィリピン国内に備蓄していた支援物資を被災地に急送しました。

また、フィリピン政府の要請に応じ、他の国連機関とともに、国際社会に対する共同緊急アピール(支援要請)を準備。ユニセフは、追加の人道支援物資の手配を進めながら、より詳細な被害状況が把握でき次第、更なる支援を展開する予定です。

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