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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

トリニダードトバゴ:「エイズを追い出せ!」イニシアティブ


【2009年4月20日 トリニダードトバゴ発】

ユニセフが支援している「エイズを追い出せ!」イニシアティブが、トリニダードドバゴ北部のスペイサイドで開始されました。本プログラムは、トリニダードトバゴ・スポーツ体育教育連盟(TTASPE)が主体となり、スポーツやゲームを利用してHIV/エイズについての若者の理解を深めるプログラムとなっています。

小さなコミュニティであるスペイサイドは、主に漁師と海女の住む場所としてよく知られています。2007年、ユニセフとTTASPEは、パートナーと協力して、コミュニティを対象とした調査を行いました。この調査を基に、スペイサイドは「エイズを追いだせ!」イニシアティブを実施する最初のコミュニティに選ばれたのです。

若者たちへの訓練
© UNICEF Trinidad and Tobago/2009
トリニダードトバコ北部に位置するスペイサイドで、「エイズを追い出せ!」ワークショップを行うカリファさん(右)とその仲間。

ユニセフとTTASPEは、若者を「エイズを追い出せ!」イニシアティブのピア・ファシリテーターに育てるための訓練として、ワークショップを開いています。カリファ・マルティンさん(15歳)は、この訓練を受けている若者たちのひとりです。

「コミュニティセンターでHIVに関するワークショップがあると聞いて、参加しようと決めました。もっとHIVについて知りたかったし、正しい情報を得ることがとても大切だと分かっていましたから。」カリファさんは話します。「予想していたものとは違って、ゲームや楽しい活動を通して学んでいくんです。とても楽しくて、妹も連れて行きました。私たちは今、二人ともこのプログラムに積極的に参加しています。」

スペイサイドで育ったカリファさんは、HIV/エイズがこの小さなコミュニティにどんなに影響を与え得るかを目の当たりにしてきました。

「誰かに何かが起きると、コミュニティ全体に影響を与えるんです」と、カリファさん。「もっと多くの人がHIV感染検査を受けて、賢明な選択を取ることを始めてほしいと思います。そしてスペイサイドが他のコミュニティの模範となればいいと思っています。」

人を助けたい

ピア・ファシリテーターになるための訓練を受けて、カリファさん自身も多くの「エイズを追い出せ!」ワークショップを実施しました。このワークショップでは、講義の代わりに若者たちが興味を持てるような教育的なゲームが行われます。例えば、ボールをあてられるとHIVに感染したことになるというルールの、ドッジボールに似たゲームも行います。このゲームには、誰でも皆HIVに感染する可能性があるというメッセージが込められています。

「このような活動を通して、カリファさんのような若者たちが充分な知識を得た上で良い選択ができるようなコミュニティを、彼ら自身で積極的に作っていって欲しいのです」とユニセフ・トリニダード・トバゴ事務所マルロン・シンプソンHIV/エイズ担当官は話します。

現在、「エイズを追い出せ!」イニシアティブでは、カリファさんのような約20人のピア・エデュケーターが活動しています。カリファさんは、このプログラムの成果を実感しています。何故なら、スペイサイドの友達がHIV/エイズについてより多くの知識を持つようになり、更にその知識を家族や友達と共有している姿を見てきたからです。

このプログラムはまた、カリファさん自身も変えました。今、彼女の夢は医者になることです。「HIV/エイズと共に生きる人々を助けたいんです。いつかは、エイズを治す方法を見つけたい。」カリファさんは笑顔でこう話します。

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