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世界の子どもたち

ジンバブエ:最も困難な状況にある子どもたちも学校に

【2011年10月28日 ジンバブエ発】

© UNICEF Zimbabwe/2010/Mutseyekwa
孤児になったエスナトちゃん。母親の僅かな所持品だけが、彼女に残された財産です。

「お母さんは、この木の下で眠っているの。」ジンバブエ南部のザカ地区に暮らすエスナトちゃん(8歳)は、母親のお墓を指差しながら、静かにこう話しました。「お母さんが死んでからは、近所の人に面倒をみてもらっています。ごはんと、寝泊りする場所は用意できるけど、学費は払えないって言われました。」

既に厳しい体験を経てきたにもかかわらず、エスナトちゃんは明るく元気な女の子です。礼儀正しく優しいエスナトちゃんは、チペゼゼ小学校でも一際目立つ存在です。

教育への投資

今、ジンバブエ国内には、約140万人の孤児がいます。みんな、先の見えない将来への不安を抱え、金銭的にも深刻な状況に直面しています。ユニセフは、こうした幼い子どもたちが、正規の教育を受けられるようにすることを目指し、活動を続けています。その一環として始めた基礎教育支援モジュール(BEAM)と呼ばれる支援を通じて、孤児をはじめとする厳しい立場に置かれた子どもたち51万4,000人が、学校に通えるようになりました。

© UNICEF Zimbabwe/2010/Mutseyekwa
ユニセフの支援で、教科書やノートなどの学用品を手にしたエスナトちゃん。学費の援助も受けています。

ジンバブエ全域で、今、子どもたちの学費や基礎的な学用品の支援が行われています。また、1,300万冊以上の教科書が印刷され、数学、英語、環境科学、現地語といったカリキュラムに合わせて分配されました。チペゼゼ小学校では、エスナトちゃんはじめ計447人の児童・生徒たちが、この支援の恩恵を受けています。

この地域は、干ばつに見舞われることが多く、死亡率の急増や孤児の数の増加も問題となっています。こうした(様々な社会的な問題に立ち向かう基礎的な力を身につける機会でもある教育の機会を提供する)支援は、この地域にとって、必要不可欠なものです。

各国からの支援

「ジンバブエの教育を取り巻く現在の厳しい状況は、すぐに過去の話になってしまうと、楽観視しています。」「ジンバブエの教育が高い質を取り戻し、ミレニアム開発目標達成に向けて順調に推移し続けるために、“子どもに優しい学校イニシアティブ”は、他のプログラムを補完する最も有効なものです。」ユニセフ・ジンバブエ事務所のピーター・サラマ代表は、こう話しました。

「Global Partnership for Education」を通じ、世界が一丸となって進められている、開発途上国の子どもたちを学校に通える環境づくりの支援。これまでに、1900万人の子どもたちが、新たに学校に通えるようになりました。

日本はじめ、オーストラリア、デンマーク、フィンランド、ドイツ、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、スウェーデン、英国、米国、欧州共同体から寄せられている非常に重要なご支援が、過去10年間以上にわたり急劇に下落していたジンバブエでも、その教育の再生への取り組みを支えてくれています。こうした継続的なご支援は、(現在他の子どもたちに比べて就学率が低い)孤児をはじめ最も厳しい立場に置かれている子どもたちの就学率も上昇させてくれる力となるはずです。

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