栄養不良と肺炎で命を失いかけた

1歳半の女の子

 

保健施設までは徒歩2時間。

母の必死の行動が、娘を守った。

(マダガスカル)

c UNICEF/UNI201646

無事に生まれて、すくすく育つ−私たちの生活で思い描く人生のスタート。

しかし、世界には幼くして失われている命がたくさんあります。

 

5歳の誕生日を迎えることなく、命を失う子どもたちは年間560万人

45%にあたる約266万人は、生後1か月以内に亡くなっています

※これらの数値は2017年11月時点のものです

 

5歳未満の幼い子どもたちの命を脅かす大きな要因に、栄養不良があります。

下痢や肺炎などの病気は、日ごろから栄養が足りていない体をあっという間に衰弱させ、命を奪っています。

 

「発育阻害」と呼ばれる慢性栄養不良は、見た目には「年令のわりに身長が低い」状態です。

やせ細る急性栄養不良と比べると、緊急度や優先度が高い課題と認識されてきませんでした。

 

栄養と発育に関するさまざまな研究によって、発育阻害がもたらすさまざまな影響が浮き彫りになりました。

発育阻害になれば、神経や脳の発達に影響が生じ、将来的には教育や所得の面にも影響を及ぼすこと。

発育阻害の女の子がやがて出産すれば、生れてくる子どもが発育阻害になりやすく、連鎖してしまうこと。

 

同時に、胎内にいる時から2歳の誕生日まで「人生最初の1000日に適切な栄養を取り

ケアを受けられれば、子どもが病気にかかりにくくなり、命や成長を守られることもあきらかになりました

 

「人生最初の1000日」に適切なケアと栄養を与え、子どもたちの健康を守りたい−

ユニセフは武田薬品工業株式会社と共に、5年間にわたって、
5歳未満児死亡と発育阻害が深刻なベナン、マダガスカル、ルワンダで
「人生最初の1000日」保健/栄養プログラムを実施しました。

 

支援規模

・新生児ならびに5歳未満の子どもたちの生存が厳しく、

発育阻害の割合が高いアフリカの3カ国(ベナン、マダガスカル、ルワンダ)での

保健・栄養プログラムの支援

2017年から5年間で総額10億円

「人生最初の1000日」に必要な取り組みは、決して高度な医療ではありません。

シンプルな取り組みです。

正しい知識やケアを

学べる機会を作り、

人を育てること。

必要な医薬品や機材を

そろえること。

正しいケアを

お母さんや家族が

行えるようにすること。

代表的な取り組みをご紹介します。

取り組み

保健分野

栄養分野

保健員の育成や遠隔地での

保健サービスを高め、

妊産婦と新生児を支援

妊産婦から2歳までの

栄養改善、治療、栄養知識の

普及を支援

1

保健

1. 病気の新生児の治療

2. コミュニティ保健員の育成

3. 保健施設・スタッフの充実

3

2

栄養

1. 母親などへの栄養、食事の指導と研修

2. 重度栄養不良児への治療

3. 栄養物資などの調達と配布

1

3

2

ユニセフが開発した携帯電話のSMS技術を使った取り組み(例:医薬品の調達アプリ)を行う可能性もあります。

※上記の写真は、支援対象国以外の写真も含まれています。写真すべ(CUNICEF

 

 

目標

3カ国での5年に渡る取り組みで、のべ130万人のお母さんと子どもたちを支援します

保健分野

栄養分野

「人生最初の1000日」における妊産婦と

子どもたちへの質の高い保健サービスの提供と

アクセスの改善

発育阻害およびその他の形態の

栄養不良と闘う

5年間で、約39万5000人の妊産婦への

保健サービスの提供とアクセスの改善を行い、

さらに、約32万3000人の新生児への

ケアの強化を支援します。

5年間で、約58万2000人

5歳未満児の栄養状態の

改善を支援します。

支援対象になるのは3カ国です。

世界での発育阻害の割合(出典: UNICEF, WHO, World Bank Joint Child Malnutrition dataset, September 2016 update)

取り組みの成果

「人生最初の1000日」保健/栄養プログラムによって、3つの対象国では
子どもたちの健康を取り巻く環境が大きく改善されました。
また、当初の目標である130万人を大きく上回る260万人以上に支援を届けました。

【動画】ユニセフと武田薬品工業株式会社による「人生最初の1000日」保健/栄養プログラム

武田薬品工業株式会社の支援により、子どもたちのより健やかで輝かしい未来に向けて一歩前進することができました。

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