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財団法人日本ユニセフ協会

国際協力人材養成プログラム

海外インターン体験記

パキスタンの女子教育

氏名:石塚 真理
派遣先:パキスタン・ペシャワール地域事務所(Education Section)
派遣期間:2006年8月〜12月

パキスタンにある4州の1つ、北西偏狭州(NWFP)では、現在5歳から9歳の女の子全体の66%しか小学校に通うことが出来ていません。同州における男子就学率が98%ですから、“教育の機会”に対する男女差がとても大きいことが分かります。また、入学した女子生徒の48%が卒業を待たずに学校をやめてしまいます。理由は文化・習慣からくる女性への偏見・親の経済的状況・教育の質の問題・学校環境が女の子に対して十分に考慮されていないことが挙げられます。女の子が教育を受けられる適切な環境が存在しないのです。

NWFPの公立小学校では男女が別々の学校に通い、「1学校2教室」が一般的です。子ども達は電気がない薄暗い教室で、机や椅子もない状況の中、一生懸命勉強しています。また小学校の数が足りないために外で勉強したり、1教室に異なる学年の40人以上の子ども達がいることも珍しくありません。先生にとっては別々の学年の子ども達に同時に教えることはとても困難であり、子どもの学力低下にもつながってしまいます。その上、教師も女子には女性が担当するのが一般的なNWFPでは、女子教育の現状を考慮すれば、先生になれるような高等教育を受けた女性を見つけることさえ難しい状況です。女の子が教育を受ける必要がない、と考える親や周りの人さえ存在します。日本では当たり前だと感じる学校環境は、ここには何一つないのです。

このような困難な状況の中、ユニセフは州政府と協力して初等教育における男女格差改善を目標に女子教育支援を進めています。具体的には、親やコミュニティ・宗教指導者とともに行う女子教育の啓蒙活動、学校建設、先生達への教授法トレーニング実施などです。また学校で学ぶことが楽しいと感じてもらえるように教室に色つきの地図を置く等の工夫をしています。女の子でも男の子でも平等に教育を受け、自分の将来を自身の手で選択出来るような未来をユニセフは目指しています。

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カンボジアの若い女性がエイズに取り組むとき

氏名:浅野 円香
派遣先:カンボジア プノンペン事務所(HIV/AIDS Section)
派遣期間:2006年8月〜10月

「カンボジアの若い女性に対してHIV予防プログラムを実施するには、何が重要なのだろうか。」という問いに対して、「カンボジア人女性の主体的な参加こそが大切である」と私は考えている。

インターン活動をしたユニセフ事務所は、工場の女性労働者のエイズ教育を行うために、地元の女性たちが中心に運営しているNGOを支援していた。ユニセフのスタッフは、性やエイズについて教育活動をしている20代の女性スタッフの能力と、献身的な仕事ぶりを評価していた。

NGOと仕事する中で感じたことは、自分と同じ20代のスタッフは、結婚・妊娠・出産・子育ての経験があり、工場で働く10代の女子にとってはロールモデルである、ということであった。NGOスタッフに性教育を受けた労働者たちと話をすると、「初めて自分の体について知ることができた」「仲間に頼られるようになって嬉しい」など、自信をもって語っていた。

女性労働者はなぜ、NGOのプログラムを受け入れているのか。 家族と離れて孤独な生活を送る中で、望まない妊娠している人や、HIV/AIDSの不安を抱えている人が、健康教育を必要としている。それに対しNGOスタッフ自身が、HIV感染する可能性がある女性当事者として、プログラムを繰り返し改善し、実施していたのである。

夫から妻、妻から子どもへのHIV感染が増えている今、女性が教育を受けられることは、自分の健康管理や、男性優位な社会において自分を守る方法を知ることにつながる、とNGOは考えている。女性のHIV感染を予防するためには、まず本人たちが主体的にプログラムに関わり、学ぶことが重要なのである。

同じ時代を生きる女性として、カンボジアの女性たちの活動を応援したい。そしてカンボジアの女性たちの努力が、一日でも早く彼女たちを取り巻く家庭や男性の関心や理解に結びつくことを願いたい。

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パキスタン地震の緊急支援に携わって

氏名:大木 悠子
派遣先:パキスタン事務所(Education Section)
派遣期間:2005年4月〜10月

※インターン終了後、同事務所のスタッフとしてEmergency Programme Support Group, Education Unitに9ヶ月間勤務。

私は、ユニセフパキスタン事務所の教育セクションで7ヶ月間のインターンシップを経験した後、10月にパキスタンを襲った大地震に伴い設置された緊急プログラムの教育ユニットで9ヶ月間コンサルタントとして勤務しました。

インターンシップでは、内部および外部での会議への参加、プロジェクトのモニタリング、書類作成、リサーチなどあらゆる業務を経験させてもらうことで、ユニセフの活動、プロジェクトの計画・実施・評価法、他機関との関わりなどについて多くのことを学びました。

地震が発生した最初の1ヶ月は、インターンとして緊急支援の仕事に携わりました。この地震で国連によりクラスターアプローチが導入され、教育を含む10のクラスターが設置されました。各クラスターの議長は国連機関から指名されました。教育クラスターの議長は私が所属していた教育セクションのチーフになったため、議長の仕事の補佐をやらせてもらいました。

仕事の内容は、会議の議事録作成、クラスターメンバーであるNGOや国際機関からの情報収集と情報発信など、クラスターメンバー間のリンクとしての役割を担っていました。その後コンサルタントとして勤務させてもらえることになり、新たに設置された緊急プログラムサポートグループの教育ユニットで、緊急支援の仕事を続けることができました。ここでは、被災地に設置されたフィールドオフィスのサポート業務、教育物資をフィールドにスムーズに送るために関係課との調整、学校再建についての政府との調整、モニタリングなど、他にも色々な業務を経験させてもらいました。

緊急災害であったこともあり、短期間に凝縮して貴重な経験をたくさん積むことができました。また、ユニセフスタッフの仕事に対する熱意とパワー、そして高いプロ意識を持った仕事に対する姿勢に強い魅力を感じました。

私は現在NGOで緊急災害の仕事に携わっています。ユニセフでの経験を活かし、これからも国際協力の分野で仕事を続けていきたいと強く感じています。

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