氏名:北村 則子(きたむら のりこ)
派遣先:エチオピア事務所
派遣期間:2011年5月〜8月
2011年5月から7月までの3カ月間ユニセフのエチオピア事務所の保健セクションでインターンをさせていただきました。私の仕事は主に2つあり、1)新生児生存に関する国家活動計画を作成する、2)integrated community case management (iCCM)のトレーニングおよび指導でしたが、3カ月で二つは到底不可能だということが開始当初からはっきりしたため、政策に関わりたいという私の希望を聞いていただき、新生児ケアのnational action planの作成に的を絞って、活動することになりました。
しかしこれが非常に難題でした。エチオピアは援助大国。ユニセフオフィスも大きければ、その他のNGOも多数活動しており、母子保健や新生児保健に関するプログラムだけでも、全部で約10団体が動いています。それらを全て統合し、トレーニングスケジュールを把握し、モニタリングや予算を計算するとなると、よほど現状に精通していないとできません。
エチオピアのヘルスシステムは、ユニセフでのインターンを行う以前にエチオピアのプロジェクトで働かせていただいた経験から、随分理解していたつもりだったのですが、多くの時間を現状を把握するのに使ってしまいました。5月半ば、スーパーバイザーに途中まで書いた企画書を渡してからは、同時進行していたエチオピアの新生児室の標準化のための調査に集中することに決め、多くの病院を回りました。実はこの過程を通じてやっとNational Action Planが自分の中で具体化してきたのですが、調査がすべて終わり、2つの出張を終えた時には7月も中旬になってしまいました。
ただ、病院の新生児室の標準化及び拡充案に関する合同会議の開催と文書の作成を終わらせることができたことは最大の成果となりました。また、新生児室拡充のために作成したgrant proposalは、次の企画書として正式に採用されたようで、非常に嬉しく思っています。最後にスーパーバイザーから、新生児室の展開や拡大は過去3年間言われ続けて実現していなかったが、この3カ月で具体化し、エチオピア小児科学会が私の書いた文書を自分たちの文書として発行すると言っている、と教えられ、多少でもエチオピアのために役立てたのなら、と嬉しく思いました。途中自分がコミュニティ でなく病院に重点を置いていることに疑問を感じた時もありましたが、自分の専門を行かせる仕事をユニセフでできたことが、次に進む自信につながりました。
最後になりましたが、この機会を与えていただき、またインターン中いろいろ助言をいただいた日本ユニセフ協会の皆さま、特に担当の菊川さん、原田さん、斉藤さんに深謝いたします。
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