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公益財団法人日本ユニセフ協会

国際協力人材養成プログラム

海外インターン体験記

氏名 頼田 優女
派遣先 タンザニア事務所
派遣期間 2014年9月〜12月
 
施設で出会ったCWA・ろうの子どもたちと

私は小学生の時にユニセフ募金を知ってから、国際協力の世界で働きたいと思い続けてきました。日本ユニセフ協会の2012年度の国際協力講座、2013年春のミャンマースタディツアーを経て、今回、初めての国際機関での業務を、原点であるユニセフで経験することができ、非常に嬉しく思います。

タンザニア事務所・子どもの保護セクションのインターンとして、小さいながらもプロジェクトを一つ任せて頂きました。MORAT1(妊産婦死亡時リスク評価ツール)といい、出産時に母親が死亡した場合、残された孤児の情報収集・共有を行おうというものです。タンザニアの妊産婦死亡率はアフリカの中でも高く、10万人中450人が出産時に命を落とすとされています。そして、母親を失った乳児も母乳やケア不足により約半数が6ヶ月もたたずに死んでしまうという研究結果が出ています。こうした「高リスク」の子どもについて、母親の死亡時に病院の医療スタッフと社会福祉士が予め情報を共有し、社会福祉士が家庭訪問を行い継続的に子どもの発育をフォローするというのが目的です。私は修士で都市開発学を専攻しましたが、今回は都市部(ダルエスサラーム)で始めたプロジェクトを地方の三州(ムベヤ・イリンガ・ンジョンベ)に展開するというのがミッションでした。タンザニア政府が推し進めている地方分権の方針に沿い地方政府と働くことができ、また、進捗報告書では都市部との比較を行うことができました。

MORATについては、到着後2週目に早速出張に出て社会福祉士と地方政府担当者にツールの説明を行いました。一方、導入後は使ってみてからの検証・改善となるため、暫くは業務量が減ることになりました。そこで、上長に相談し10月末から2つ目のミッションとなったのがアルビニズム2の状況分析報告書の作成です。タンザニアではアルビニズムを持った人たち(PWA3)の人体(腕・脚など)が黒魔術師の薬の材料として今も闇市場で取引されており、子ども達(CWA4)も日々命の危険にさらされています。こうした子ども達の生活環境を知るため、国内4ヶ所の公立小学校に併設されている障がい児向け生活施設(寮)へ現地調査に訪れ、分析報告書を仕上げるところまで担当しました。この取組みは来年、学校への物資供給・先生向けのワークショップへと繋がっていく予定です。

地方政府と協力して取り組むMORAT、子ども達の近くで行ったCWA調査と、二つの異なるミッションを通じて「子どもの保護」というユニセフの幅広い業務に関わることができました。この経験を今後のキャリアに活かせるよう頑張っていきます。貴重な機会を与えてくださった日本ユニセフ協会、タンザニア事務所に心から感謝の気持ちを申し上げます。


  1. Maternal Orphan Risk Assessment Tool (=MORAT)
  2. アルビニズムとは日本語で先天性白皮症といい、両親の遺伝子の組み合わせによって先天的に発症する障がい。皮膚、髪の毛、瞳などの色素が普通の人よりも極端に少なく、日光に極度に弱い。日焼けにより発症する皮膚がんで多くの人が命を落とす。また、弱視のため学校では拡大鏡などの補助が必要となる。タンザニアでのアルビニズム発症率は2,000人に1人で、欧米の20,000人に1人という確率よりも遥かに高い。
  3. People with Albinism
  4. Children with Albinism
CWAへの聞き取り調査
子どもの保護セクションの同僚たちと

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