【2009年7月9日 イタリア発】
今年のJ8(ジュニア・エイト)サミットには、G8各国(カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、ロシア、英国、米国)にブラジル、中国、エジプト、インド、メキシコ、南アフリカを加えた14カ国から54名の子どもたちが集まりました。子どもたちは、「経済危機下における子どもの権利」、「気候変動」、「アフリカにおける貧困と開発問題」に、子どもたち自身が選んだ「教育」の4つの議題について話し合いました。
先進国と途上国それぞれの立場から、子どもたちが出し合ったアイデアや希望を、言葉や文化の壁を越えて宣言文にまとめあげるプロセスは、容易ではありませんでした。すべてのテーマについてじっくりと話し合いが行われた後、宣言文作成グループの子どもたちが文章にし、発表しました。出来上がった原稿について自由に意見交換が行われ、さらに新しいアイデアや修正を加えるなどさまざまな提案が飛び交い、活気にあふれた議論となりました。宣言文作成グループが最後の改訂を行ったあと、最終原稿がJ8参加メンバーの前で読まれ、J8参加メンバー全員によって認められました。
こうして数日間にわたる話し合いと作業を経て完成した「J8ローマ宣言」。9日、J8サミット参加国より一人ずつ選ばれた14名の代表たちが、G8サミット会場のラクイラで各国首脳陣と面会し、「J8ローマ宣言」をG8首脳陣に提出しました。「私たちは将来のリーダーであり、今日リーダーたちの決定に一番影響を受けるのです。私たちは、大人と若者たちが協力することによって、次の世代へよりよい未来を築くと信じています。」とJ8代表の子どもたちは呼びかけました。
子どもたちは、世界の首脳に対し、すべての子どもたちに質の高い中等教育と安全な通学を可能にすることを要望しました。そして、再生可能エネルギーへの投資を増やし、気候変動に対するアクションへの若者たちの参加を強調するような、意味のあるコペンハーゲン協定に調印することを訴えました。また、アフリカの開発問題に取り組むために、新しいビジネスの金銭的負担を請け負う貧困撲滅債(End Poverty Bond)を提案しました。
J8代表の子どもたちは、各国の首脳と個別に面会した後、記者会見を行いました。日本代表の藤井萌子さんは、次のように話しました。「私は、J8コミュニティが多くの問題に取り組んでいることを麻生太郎首相に伝えました。問題に取り組む必要があると言うだけでなく、私たちに必要なのは行動なのです。」
J8ローマ宣言とアクションプランはこちら J8ローマ宣言 英語版【478KB】 日本語版【117B】 アクションプラン 英語版【619KB】 日本語版【96KB】