今年7月イタリア・ローマで開催されたJ8サミット2009には、G8国8カ国とG8国以外の6カ国から集まった子どもたち54名が参加しました。このサミットに日本代表として参加した渋谷教育学園渋谷高等学校2年の岡佑樹くんと小野暢思くんが、8月11日(火)にユニセフハウスで行われたユニセフリーダー講座でJ8サミット2009の報告をしました。
ユニセフリーダー講座は、毎年夏休みに中高生を対象に行われ、ユニセフや世界の子どもたちの現状について学んだり、話し合ったりする子どもたちためのイベントです。この日、台風と地震の影響が心配されましたが、募集人数を大幅に上回る総勢99名の子どもたちが参加しました。
岡くんと小野くんは、まずJ8日本代表に選ばれてから出発するまで、お互いの家などに集まり、何時間にもわたってテーマについての勉強会を行ったことを話しました。J8サミットではテーマについて議論を進める中で、G8国の子どもたちがどの国の子もすごく勉強していて、真剣に議論に取り組んでいたことに刺激を受けたり、開発途上国の子どもたちは自分たちの国で起きている問題についても世界の仲間たちに一生懸命伝えようとしていたことが印象的だったと話しました。ディスカッションでは自分の意見を押し付けたり、相手を否定したりするだけでは進まず、時にはお互いの意見を尊重し合って妥協することも必要だということを学んだ、と語りました。
このJ8サミットの大きな目的の一つは、G8首脳陣に提出する共同宣言の作成です。宣言文を完成させるまでの共同作業は想像以上に難しく、みんなの意見をまとめて宣言文の原稿を書くドラフティンググループが一文ずつを読み上げ、全員が納得するまで話し合いをし、評価し合いながら進めたため、大変な時間を要したこと、最後には完成の期限が迫って焦りを感じたことを振り返りました。
そして、「休憩や夕食のあとのフリータイムも時間を無駄にしたくなかったので、できるだけ他の国の子どもたちとの交流に努めた。宿舎の廊下でお互いの国から持ってきたお菓子を食べたりしながら明け方まで議論をしたことは一生忘れられない思い出。言葉や文化を超えてモチベーションの高い世界の仲間たちと真剣な話し合いができるのはJ8の醍醐味。」と語りました。
小野君は、「自分は帰国子女ではないけど、国際問題に興味があって一生懸命勉強してきた。英語は色々な人たちとつながるコミュニケーションの道具。ただ話せるだけでなく、中身のあることを言えばちゃんと聞いてもらえるんだ、ということを改めて認識することができた。」と話しました。
岡君は、「私たちは言葉でこうするのが大切だと言うだけではなく、世界のリーダーたちには行動を起こしてもらいたいし、自分たちも行動を起こしていきたい。それが宣言とアクションプランにこめられたぼくたちの願い。J8の枠にとどまらず、いろいろな人たちとこれからもつながっていきたい。」と訴えました。