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財団法人日本ユニセフ協会




ユニセフ・アフガニスタン事務所 勝間靖さんからの近況メール

その4:<アフガニスタン どうやって戻るか?>

 2001年9月30日

「アフガニスタンへ戻る計画を立てろ!」 エリックが檄を飛ばす。緊急援助の経験豊富なフランス人の常駐代表である。
「君たちはまだ緊急援助モードになっていないぞ!」 とカナダ人のナイジェル。ユニセフ・南アジア地域のトップを務めている彼は、最近、ユニセフ事務局長のキャロル・ベラミーによって「アフガニスタンと周辺国の地域間プログラム」の特別代表に任命された。
 このような状況になると、週末などなくなってしまう。それに、ニューヨーク、ジュネーブ、コペンハーゲンとの電話会議はだいたい夜だ。無線室も24時間稼動になり、私にも週に1回は夜勤がまわってくる。

 さて、どうやってアフガニスタン国内に閉じ込められた避難民を支援するのか?
 どうやってアフガニスタン国内へ物資を調達するのか?
 そして、どうやってアフガニスタンへ戻るのか?
 いろいろなシナリオが検討されている。

 こういったロジスティックスに詳しいのは、大抵の場合、物資調達担当官である。商社で働いた経験がある人にふさわしいポストだ。物資調達担当官一筋のバングラデシュ人のシャリフが口火を切る。
 「私たちがいつも使うのは、パキスタン側のぺシャワールとクエッタであるが、ここの国境は封鎖されているし、いつこのルートを使えるかは分からない。We have to think out of the Box(枠を超えて柔軟に考えないと)。」

 ヘラト事務所常駐事業官のエルシャドと、マザーリシャリフ事務所常駐事業官のマブーブが続く。ちなみにこの二人もバングラデシュ人。
 「イラン側から入るべきだ。」「トルクメニスタンの国境が先に開くはずだ。」「飛行機をチャーターして、コペンハーゲンから毛布や医薬品をイランとトルクメニスタンへ届け、アフガニスタンとの国境近くの倉庫に備蓄しよう。」

 決断が下される。
「シャリフ、コペンハーゲンから両国への物資調達を頼む。」
「エルシャドはテヘランへ行って、イラン事務所の同僚と協力して、アフガニスタンとの国境に事務所を設置しろ。」
「マブーブはアシュガバードへ飛んで、国境まで行け。ビザを取ってすぐにだ。」
まず、マブーブが明後日にトルクメニスタンへ飛ぶ。

 我々は、詳細なオペレーション・プランを作り、支援者に資金を要請する。
 北のトルクメニスタンからアフガニスタンへ戻るのが、実現可能性の高いシナリオのような気がする。それが可能となる日に向けて、詳細な準備が進められている。

イスラマバードで行われた記者会見で発表されたユニセフ・アフガニスタンと周辺国の地域間プログラム特別代表ニジェール・フィッシャー氏の声明文です。

 今日(29日)午前9時半(現地時間、日本だと午後0時30分頃です)に、コペンハーゲンから飛んでくるユニセフの最初の緊急物資輸送機が、パキスタンのペシャワールに到着します。ペシャワールは、アフガンとの国境に近いパキスタンの町です。
 それから、やはり、今日(29日)の朝、同じペシャワールの町から200トンの緊急支援物資が、アフガン国内に向けて送り出される予定です。この物資、最後は4000頭のロバによって運ばれる予定だそうです。その中には、現地語で書かれた子ども向けの物語の本1万3千冊も含まれています。

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