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財団法人日本ユニセフ協会




2002年1月8日

UNICEFアフガン緊急情報

 アフガニスタンでは、本格的な冬を迎え気温がマイナス25℃に達する中、国内避難民の生活は依然厳しい状況におかれています。アフガニスタン北部クンドゥスの国内避難民キャンプでは、厳しい寒さの中、適切な保健サービスや医薬品の不足により、肺炎などの疾患でこれまでに164人が亡くなったほか,他の地域でも結核が流行するなど深刻な状態に陥っています。アフガン内外に避難した住民750万人(3分の2以上が女性と子ども、150万人は5歳未満の子ども)の多くは、国際社会からの支援無くしてはこの厳しい冬を乗り越えることが困難とされています。本格的な冬の到来を迎え人道援助の必要性が更に高まる中、ユニセフは国際社会からの一層の支援を必要としています。引き続き、皆様の温かい御支援をお願い致します。

アフガニスタン概況

 アフガニスタンではタリバン政権の崩壊を受け、各民族代表による暫定行政機構が12月22日発足しました。23年に及ぶ戦乱の後、アフガニスタンは各民族の和解と復興への第一歩をようやく踏み出しました。議長(首相)であるハミド・カルザイ氏は式典で「国の統一と平和,民主の向上,復興に向けて全力を尽くす」と宣誓しました。治安の回復に伴い、パキスタンやイランから帰国するアフガン難民がここ2ヶ月間で約6万人に達し、今後も帰還のペースは早まる見通しです。しかし,パキスタンやイランには依然350万人を超える難民が避難生活を続けており,ユニセフは冬の厳しい寒さにさらされる避難民の子どもと家族の生活を守るための人道援助を強化,拡大します。

ユニセフ活動最新情報

 2002年1月1日、ユニセフはアフガニスタン政府、WHO(世界保健機関)、地元NGOと協力して首都カブールや全国各地ではしかの予防接種活動を開始しました。これは生後6ヶ月から12歳までの子ども約900万人を対象とした大規模な活動で、予算規模は800万米ドル以上、今後3ヶ月以上にわたり展開される予定です。 はしかは感染症の中で最も致死率が高い病気の一つで、 アフガニスタンでは子どもの感染 症による死亡原因の約40%を占めます。昨年は紛争による影響で、通常はしかが流行し始める11月以前に予防接種が十分に行えず、子どもの感染の危険性は例年より高まっています。このため、予防接種の更なる拡大と迅速な実施が必要とされています。

ベラミー・ユニセフ事務局長、アフガンを訪問

昨年11月30日から12月4日までアフガニスタンと隣国パキスタンを訪問したキャロル・ベラミー・ユニセフ事務局長は、厳しい冬を迎えつつも、暫定政権が誕生した今こそがアフガニスタンの将来にとって極めて重大な時期であると述べました。ユニセフは子どもと家族が冬を越せるための人道援助を最優先に展開します。

皆様からの募金の使途

 皆様からお寄せ頂いた募金は次のような活動に使わせていただいています。
◆ 基礎医薬品や医療器具の提供
◆ ポリオやはしかの予防接種の実施とビタミンAの補給
◆ 栄養補助食の配布
◆ 安全な飲み水の確保と衛生の管理
◆ 厳しい寒さを防ぐ毛布や衣類の提供
◆ 教育セットの配布
◆ 家族と離れた子どもの再会支援と心理ケア

お問合せ:財団法人日本ユニセフ協会 協力事業部 
TEL:03-5789-2012 FAX:03-5789-2032