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財団法人日本ユニセフ協会




2002年4月24日

新しい教育が始まる
3月23日、アフガン全土で約3000校が授業を再開

178万人の子どもたちが学校へ−日本が大きな貢献

 2002年3月23日、暫定政権樹立後はじめての新学期を迎えたアフガニスタンでは、全国で約3000の学校が授業を再開し、178万人の子どもたちが元気に登校しました。 @copy;UNICEFほとんどの子どもたちにとって、こうして正式な学校教育を受けるのはほぼ6年ぶりのことでした。
ユニセフは、アフガニスタン教育省と協力して、今年の初めから『バック・トゥ・スクール(学校へ戻ろう)キャンペーン』を展開し、一人でも多くの子どもたちが教育の場に戻ってくることができるよう、教材や文具の調達、校舎の復旧、教師のトレーニングなど大規模な教育支援活動をおこなってきました。
今回の第1期キャンペーンでは、3月23日を目標に、ラジオ番組など通じて一般家庭に学校への復帰を呼びかけると同じに、700万部の教科書、800万部のノート、6万の教材セット、1万8千枚の黒板を配布するなど、学校再開に向けた全力の活動がおこなわれました。@copy;UNICEF
その結果、178万人もの子どもたちが、安全な環境の中で学校に戻ることができました。この第1期キャンペーンの費用は総額17百万米ドル(約22億1千万円)におよびましたが、その64%の11百万米ドル(約14億3千万円)が日本から送られた民間、政府の支援金でした。さらにそのうちの6百万米ドル(約7億8千万円)が、日本のみなさまから日本ユニセフ協会に寄せられた民間募金によるものです。
もちろん、これでキャンペーンが終わったわけではありません。ユニセフは、4月末までにさらに100万人の子どもたちが学校に戻ってくると推定しています。また国外からアフガニスタンに戻ってくる難民の子どもたちがこのキャンペーンに参加するための準備も進めています。

「わたし、大きくなったらジャーナリストになりたい」

ユニセフアフガニスタン事務所広報官 ケント・ページ

 ヤスミンは、アフガニスタン東部の町ジャララバードに住む聡明な12歳の少女です。
 ユニセフは、3月23日の新学期を前に、全国の子どもたちとその親たちに学校が再開すること、女の子も男の子も平等に教育を受けることがとても大切なことを知らせ、学校に子どもたちを通わせるよう呼びかけるために、各地域で新聞やテレビ、ラジオを使った広報キャンペーンを行っていましたが、そんな時ジャララバードでのキャンペーン用ラジオドラマの収録に参加してくれたのがヤスミンでした。
 あるとき、ふとヤスミンに「将来何になりたいの?」と聞いてみると、ヤスミンからはこんな答えが返ってきました。 @copy;UNICEF「わたし、ジャーナリストになりたい。いま世界でどんなことが起こっているのか、ラジオで聞くのが大好きだから。ジャーナリストになって、世の中のいろんなことがなぜ起こっているのか調べて、それを他の人たちに知らせることができたら、きっと世界は良くなると思う」
そこで、わたしはちょうど予定していたナンガルハ−ル県のノスワン第2女子学校の先生や生徒たちへのインタビューを、ヤスミンに挑戦してもらうことにしました。ノスワン第2女子学校は、新学期を前にいち早く授業を開始した学校のひとつです。以下は、ヤスミンがおこなったインタビュー内容です。質問項目は、すべて彼女が自分で考えました。これを見れば、ヤスミンには素晴らしい才能と未来があることをお分かりいただけるでしょう。

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ヤスミン ノスワン第2女子学校は、いつ再開されたのですか?
シッディパ先生 今年の1月に、やっと学校を再開することができました。タリバンに閉鎖されてから、じつに5年ぶりのことでした。
ヤスミン その最初の日、何人の子どもたちが集まったんですか?
シッディパ先生 2000人もの子どもたちが集まったんです!学校は少女たちで溢れ、本当に素晴らしい日だったわ。
ヤスミン 今はどのくらいの子どもたちが通ってきているのですか?
シッディパ先生 3,300人です。教室は足りないし、机もイスも盗まれてしまったので、子どもたちは床に座って勉強しています。校庭の木の下で授業を受けている子どもたちもいます。
ヤスミン 国際機関にどんな支援を望んでいますか?
シッディパ先生 校舎の修復や教材の支援をお願いしています。それから水場やトイレの設置も、雨の日のためのテントなども。
ヤスミン あなたの得意な科目と苦手な科目は何?
フェリバ(13歳) 全部が苦手!難しいわ。クラスを決めるテストに全部落ちてしまって、13歳のクラスには入れなかったの…。
ヤスミン わかるわ。でも、どうしてそうなったのかしら?
フェリバ 学校がない間はホームスクールに通っていたんだけれど、やっぱり十分じゃなかったと思うの。先生は一生懸命私たちに教えてくれたけれど、ホームスクールには何もなかったから、先生は自分の知っていることだけを教えることしかできなかったと思うし。
ヤスミン 本当はどのクラスにいなくてはいけないの?
フェリバ 今は年下の子たちと第4クラスにいるけれど、本当はわたしの歳なら第6クラスにいないといけないの。先生たちは、私たちが今までの時間を早く取り戻せるようにとってもがんばってくれているわ。

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 (財)日本ユニセフ協会は今回の地震の被災者などアフガニスタン国内、及び周辺国の困難な状況下にある子どもと家族を支援する「アフガニスタン緊急・復興募金」の受け付けを行っています。
皆様のご協力をお願い致します。