財団法人日本ユニセフ協会
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マダガスカル:洪水が町を襲う−避難民の報告

【2007年2月15日 マダガスカル発】

© UNICEF/Madagascar
洪水の被害を受けた家屋

「夜遅く、近くで警報が鳴り始めました。人々は走り回り、水におぼれた人を助けだそうとしています。それでも、水面はどんどん上がっていきます。私は3人の子どもを起こし、家を見捨てて逃げました。最低限のものしか持ち出せませんでした」

マーチン・ラソミヘビトラは3歳、5歳、7歳になる3人の子どもと一緒にイコパ川の近くに3年間住んでいます。

一週間も大雨が続いたあとの2007年1月14日の夜、堤防が決壊し、イコパ川沿いの地域は水浸しになりました。

「ほとんど全ての家が水に完全につかってしまい、私たちは全てを失いました。みんな流されてしまったのです」マーチンは言います。

© UNICEF/Madagascar
7歳のタヒリとその弟と妹

ユニセフの支援チームが設置した最初のテントは、被災した人々にとても喜ばれました。「雨の下で寝なくてもよくなると思うと、僕も、弟も妹も、とってもうれしかったし、驚いたよ」マーチンの長男のタヒリはうれしそうに言います。

ユニセフは、衛生状態を維持し、下痢などの病気を予防するために、浄水剤や貯水用ポリタンク、石鹸も提供しました。

ユニセフが提供したテントを避難所として生活する人の数は5,400人、首都の被災者は推定1万人で、今後も増え続ける見込みです。集中豪雨はまだ続いています。1959年以降、首都にこのような豪雨が降ったことはありませんでした。水位は限界を超えています。

© UNICEF/Madagascar
ユニセフの支援した学用品セットが届く

この洪水により、子どもたちも学校に行けなくなりました。そのため、ユニセフは、洪水で学用品を失ってしまった子どもたちのために学校用キットを提供しています。

タヒリは、洪水の2週間後から学校に通えるようになりました。ユニセフは9校の小学校に通う 2,000人の児童に学用品を配りました。マーチンは、子どもたちが校庭で遊ぶのを見てようやく安心しました。

マダガスカルでは、4つの地域が洪水による深刻な被害を受けており、少なくとも30,000人が被災者となっています。2月14日時点で、タナナリブの32ヵ所の避難所で12,132人が生活しており、南東部での被害については現在調査中です。さらに、これから5月にかけて、さらなる大雨やサイクロンが来ることが予測されています。

ユニセフは、政府とともに、水と衛生、栄養、シェルター、基礎的な保健サービス、教育、子どもの保護などの分野で支援活動を行っています。