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ハイチ地震緊急・復興支援募金 第17報
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© UNICEF/NYHQ2010-0093/LeMoyne |
ポルトープランス郊外にある保護者のいない子どもたち100人を収容できる臨時のケアセンター「フォワイエ・レスカール」に、ユニセフはレクレーションキットを提供しました。 |
大地震の発生から2週間が経過。ユニセフの支援は、数十万の被災者のもとに届けられています。震災発生から27日の夜までに、ハイチや隣国のドミニカ共和国の空港に到着したユニセフの支援物資を載せた貨物機は、のべ13機にのぼります。
震災前からすでに貧困に苦しんでいたハイチ。そうした状況の中で起こった今回の大地震は、多くの死傷者を出し、震災直後の支援活動は、思うように進みませんでした。ハイチは、震災によって「二重の災害」に見舞われたのです。
「ハイチで最も人口が密集した地帯を襲ったこの地震は、数万人の人々の生活を破壊しただけでなく、かろうじて形だけは残ったインフラも、その機能を停止させてしまいました。」ユニセフの緊急支援局のルイ−ジョージ・アーセノウ局長は話します。「国連の施設やスタッフも、深刻な被害を受けました。ですから、ユニセフをはじめとする人道支援機関の現地事務所の対応能力も、非常に限られたものになってしまいました。」
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ユニセフのパートナーである地元NGOのスタッフに連れられて子どもの保護施設「フォワイエ・レスカール」に到着したベノイトちゃん(7歳)。ベノイトちゃんは、両親が震災で亡くなったと信じている。 |
ユニセフは、他の国連機関やハイチ政府、NGOと協力しながら支援活動を展開していますが、水と衛生の分野では、ユニセフは主導的な役割を果たしています。
首都ポルトープランスには、これまでに130箇所以上の給水拠点が設置され、30万人以上の人々に安全な飲料水が届けられています。仮設の避難所に暮らす数千人の人々のために、トイレも設置されました。
「ここにきてやっと、大規模な支援物資の配布に必要な現地の対応力が、大幅に改善されてきていると言えるでしょう。」(アーセノウ局長)
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ポルトープランス近くにある避難所となっているサッカー場に、端切れ布を継ぎ合わせて仮設テントを作る女性。 |
ユニセフは、子どもたちのニーズに応えるための活動に全力をあげています。震災後のハイチは、「子どもたちの緊急事態」です。人口の40パーセント近くが14歳未満のハイチでは、多くの子どもたちが危険に晒されているのです。
行方不明者の捜索・救出活動が最終段階に入っている今、多くの支援が入り始めています。最も困難な立場に立たされている子どもたちが、必要としているものを享受できるようにすることが極めて重要です。
「ハイチ政府とユニセフは、現在支援を必要としている子どもたちの人数の把握を急いでいます。」ハイチの国連大使オン・レオ・メロレス氏は、このように話しました。
「救出された子どもたちには、もう既に、ユニセフとハイチ政府が適切な支援を提供しはじめています。」
メロレス国連大使が言及した適切な支援とは、子どもの健康を守り、安全を確保すること。具体的には、次のような活動のことを指しています。
ユニセフをはじめとする国際人道支援機関・団体は、ハイチの未来を見据え、この度の震災が、この国を長年苦しめてきた貧困を克服する契機となり、子どもたちとその家族の未来を明るいものにする機会となると捉えています。
「そのための政治的な意思があるものと信じています。必要な資金も確保できるでしょう。世界中の人々が、ハイチの人々への支援を表明しています。あとは私たちが、その善意を“正しい支援”という形で活かさなければなりません。」