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ハイチ地震緊急・復興支援募金 第18報
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ユニセフは、1月12日の地震で孤児となったり、家族と離れ離れになった子どもたちを発見し登録するための調査を、首都ポルトープランスにある60以上の児童養護施設で行った。 |
ユニセフは、首都ポルトープランスにある60以上の児童養護施設で、子どもたちの実態調査を実施しました。専門スタッフが、各施設を回り、震災で孤児となったり、家族と離れ離れになったロドリゲスくんのような子どもたちを見つけ、登録する作業を進めています。
こうした子どもたちを養子として迎えたいという意思表示をされている方が大勢いらっしゃいますが、ロドリゲスくんのような孤児となった子どもたちには、今彼らがいる場所で、身体的な、そして精神的な支援が提供されることが必要です。
ユニセフがこれまで世界各地の自然災害や武力紛争などの現場で培って来た経験は、こうした支援が、子どもたちを家族や親類縁者などと再会させるための活動の一環として提供されることが最善であることを示しています。
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ポルトープランスにある児童養護施設で、ユニセフのスタッフに、震災で両親を失った自らの体験を話しているロドリゲスくん(12歳)。彼は、消息がわからない3人の姉との再会を信じている。 |
ロドリゲスくんには、3人の姉がいました。お姉さんたちの消息はまだつかめていませんが、ロドリゲスちゃんは、お姉さんたちはみんな生きていると信じています。彼女たちとの再会を望んでいます。ユニセフは、他の支援団体と力を合わせ、ロドリゲスちゃんや同じような境遇にある子どもたちを支援するために、肉親だけでなく、親類縁者の捜索にも全力を挙げています。
「子どもたちの肉親や親類縁者の発見に、全力で取り組んでいます。」ユニセフ米州及びカリブ海諸国地域事務所のキャロライン・ベイカー子どもの保護担当官は話します。
「こうした子どもたちのために、あらゆる方法が考えられなければなりません。国内・海外を問わず、養子縁組という選択肢は最後の手段です。」と、ベイカー子どもの保護担当官は付け加えます。
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首都ポルトープランスで一緒に暮らしていた親戚と離れ離れになりながら、故郷の自宅で両親と再会したシンディちゃん(11歳)。 |
こうした大混乱の中、子どもたちと家族の再会は、不可能に近いことと思われがちです。しかし、実際に再会を果たした例もあるのです。
シンディちゃん(11歳)は、学校に通うために、農村部にある自宅を離れて、首都ポルトープランスにある伯父さんと伯母さんの家で暮らしていました。地震が起きたとき、シンディちゃんは伯父さんたちとは一緒にいませんでした。怪我を負って一人きりになったシンディちゃんは、自力で病院にたどり着きました。
地震の翌日、シンディちゃんの両親は、シンディちゃんを捜しに急いでポルトープランスに向かいました。「シンディを見つけられなくて、錯乱状態になりました。どうしたらいいのか分かりませんでした。」シンディちゃんのお父さんは、こう話しました。
シンディちゃんがたどり着いた病院は、ユニセフに連絡を取りました。ユニセフはシンディちゃんの伯父さんと両親を捜し出し、家族は再会を果たしたのです。
シンディちゃんは安堵感に包まれました。「ユニセフの人が、伯父さんを捜し出してくれて、私をお父さんやお母さんと再会させてくれたんです。」シンディちゃんはその時のことを思い出し、こう話しました。「お父さんやお母さんと抱き合いました。再会できてとても嬉しかったです。お父さんやお母さんも、私と再会できて、とても喜んでいました。」
1月12日以降ハイチを襲った悲劇の中で、肉親や家族との再会の喜びは、多くのハイチの子どもたちにトラウマ(精神的外傷)を克服する一助となっています。ユニセフは、一人でも多くの子どもたちが、シンディちゃんのようになれるよう、全力で活動を続けています。