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財団法人日本ユニセフ協会



ハイチ地震緊急・復興支援募金 第39報
希望をもたらすテント学校

【2010年3月15日 ハイチ・ポルトープランス発】

−ユニセフ広報官ダイアナ・ヴァルカーセルの報告−

ハイチの首都ポルトープランス市内や近隣の地域で、「テントの学校」が開校し始めました。

私が訪問したテント学校は、以前、スポーツセンターだった場所につくられていました。そこには、今、カルフールやポルトープランス南西部で被災した人々の避難所になっている場所です。このテント学校は、私に最も元気を与えてくれた場所のひとつでした。

長年ハイチが抱えてきた問題
© UNICEF Haiti/Valcarcel/2010
ポルトープランス南西部カルフール地区の避難所に、2月に開校したユニセフのテント学校。ユニセフは、子どもたちに日常の感覚を取り戻させるために、子どもたちが出来る限り早く学校に戻れるように支援しています。

これまで世界各地の自然災害や紛争の現場での経験から、ユニセフは、子どもたちに日常の感覚を取り戻してもらうためにも、出来る限り早く、子どもたちを学校に戻すための支援が必要不可欠であると考えています。

1月12日の地震発生以前から、貧困や不十分な設備などが原因で、ハイチ国内全土で、子どもたちの就学率は低い状況でした。今回の地震は、震災前から長年ハイチが抱えてきたこの問題を、更に深刻なものにしました。

ハイチ教育省は、この地震で、ポルトープランス西部の学校の80パーセント、南東部では35から40パーセントの学校が全半壊したと推定しています。これを学校数に直すと、実に5,000校が全半壊したことになり、290万人もの子どもたちが、現在教育を受ける権利を奪われていることになります。

震災直後、ユニセフは、教育分野での支援にかかわる他の人道支援団体とともに、子どもたちが一日も早く学校に戻れるよう、ハイチ政府への支援を続けています。

希望を持ち続けることが必要
© UNICEF Haiti/Valcarcel/2010
カルフールのテント学校で出会った子ども。

私たちが訪れたカルフールのテント学校は、2月22日に開校しました。ユニセフが提供した二つの大きなテントで作られた一方の仮設教室では7歳から12歳までの子どもたち、もうひとつのテントでは、12歳から17歳までの子どもたちが学んでいます。

この学校は、避難キャンプでの暮らしを強いられている子どもたちのみならず、避難キャンプ周辺に住む子どもたちにも門戸が開かれています。こうした子どもたちの中には、一度も学校に通ったことのない子もいます。

ここで教鞭を執るのは、ハイチ赤十字社から派遣された教員たち。そのひとり、シャンタル・ドゥフレジンさんは、小さな子どもたちのクラスを担当しています。

「ハイチは、震災以前より良い姿になっていくはずです。そう確信しています。」と、ドゥフレジンさん。「希望を持ち続けなければなりません。変化は起こるはずです。私たちの努力で・・・。路上に瓦礫のない日がやってきます。これこそが私たちの求めているものです。」

楽しみながら学ぶ

ドゥフレジンさんは、今、先生たちは、通常の教育方法に楽しさを加えた学習計画を作っていると話しました。こうした社会心理学的な手法を使うことで、自然災害などの緊急事態の状態から、子どもたちが学校に戻りやすくなっています。

今回訪問したこのテント学校で、私は、この手法を直に目撃することができました。子どもたちが、教員たちに導かれて歌を歌いながら、国語や算数などを学んでいたのです。子どもたちの表情から、みんなが楽しみながら学んでいたことは、火を見るより明らかでした。

私は、机で静かに絵を描いていたマツアイカちゃんという12歳の女の子に近寄りました。マツアイカちゃんは、現在カルフールにある避難所で生活しています。「大きくなったら、人々を治療する看護師になりたい」と、マツアイカちゃんは私に話し、こう付け加えました。「学校はとても楽しいわ。」