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日本ユニセフ協会
 



東日本大震災復興支援 第235報
支援される方々のセルフケア

【2014年5月28日 気仙沼発】

シャボン玉遊びは脳幹に刺激を与え、呼吸を整えることでリラックス効果が高い。
© 日本ユニセフ協会/2014
シャボン玉遊びは脳幹に刺激を与え、呼吸を整えることでリラックス効果が高い。

5月28日(水)、気仙沼松岩公民館で、市内の学童保育施設に勤務する指導員の方々を対象に、今年度初めての研修会が開催されました。震災が生んだ課題。また震災前からあった子どもたちを巡る様々な課題に対応できる“力”を付けていただくため、日本ユニセフ協会も、東北3県で、子育てや福祉、教育など、子どもたちの支援に取り組んでいらっしゃる方々への様々な形の「研修」の機会を提供してきました。しかし今回、気仙沼の方々が参加された「研修会」は、これまでとはちょっと様子が違っていました。

支援する方々を支えるために

震災2年目を過ぎた頃から各地で指摘され始めた「現場の疲弊」。各地を訪問し続ける当協会支援本部の各専門家の目にも、地域で子どもたちを支える立場にある支援者の方々の“疲れ”は明らかでした。「子どもたちを支える方々を支えなければ」 日本プレイセラピー協会の協力を得た当協会は、岩手県沿岸広域振興局と連携し、昨年、宮古、山田、大槌、釜石、大船渡、陸前高田の6市町で、支援者の方々の心と身体を癒すための「セルフケア研修」を実施。その後、各地で展開してきました。

気仙沼市では初めての開催となった今回の「セルフケア研修」には、24名の学童保育指導員の先生方が参加。シャボン玉や粘土、手あそびなどを通じて五感や脳を刺激。心身両面のリラックスの仕方を習得していただきました。

「自分たちのセルフケアになってよかったです。これまでこういう研修会はなかったので、頭を使うよりも身体を使ったことが新鮮でした」とおっしゃるのは、気仙沼小学校で主任指導員をされている熊谷さん。研修では、『グーチョキパーで何作ろう〜』の替え歌に合わせ、自らを安心させるために、簡単な踊りとともに「大丈夫〜」と歌う場面があります。「(大丈夫〜と)言った時、心から安心でき、あたたかい気持ちになれた」と多くの参加者が語る『グーチョキパー…』。熊谷さんは、学童クラブでのプログラムでも活用されたいとおっしゃっていました。

よりよい子育て環境づくりのために

さまざまな遊び、お菓子タイムの後は、講師の中本テリーさんが脳の機能と遊びがどのように関係しているかについて説明。
© 日本ユニセフ協会/2014
さまざまな遊び、お菓子タイムの後は、講師の中本テリーさんが脳の機能と遊びがどのように関係しているかについて説明。

「学童保育」は共働きやひとり親家庭の子どもたちの放課後の居場所です。2015年4月には、いわゆる「子ども・子育て3法(「子ども・子育て支援法」、「認定こども園法の一部改正」、「子ども・子育て支援法及び認定こども園法の一部改正法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」)に基づく『子ども・子育て支援新制度』が全国で始まり、気仙沼市も、全国の他の自治体と同様、今年度中に学童保育に関する条例を制定し、事業計画を策定。学童保育の質量の拡充を図ることが求められています。現在小学校3年生までを主な対象としている学童保育も、小学校6年生までの子どもたちが対象になります。気仙沼市の学童保育がよりよい方向に向かうよう、子どもたちの安心、安全な放課後の居場所作りのために、日本ユニセフ協会も気仙沼市への協力を今後も続けていきます。