|
フィリピン台風緊急募金 第23報
|
フィリピン中部を襲った巨大台風から3カ月。最も大きな被害を受けた地域は、子どもたちが日常を取り戻すための長い道のりを歩み始めました。
ユニセフとパートナー団体の支援は、最も大きな被害を受けた地域で支援活動を実施。これまでに、およそ42万人の子どもたちが、修理された学校や仮設の学校、テントの学校などに戻り、『箱の中の学校』や乳幼児キット、レクレーションキットなどに含まれる備品を使って学校生活を送っています。「学校へ戻ろう」キャンペーンは、2014年6月からの新学年の開始に焦点を絞り、拡大し続けています。
© UNICEF Philippines/2014 |
ユニセフのテントの中で笑う子どもたち |
しかし、多くの住民やコミュニティは依然として避難生活を送っているなど、大きな課題が存在します。生活インフラの損壊、生計手段の損失、デング熱やはしかなどへの感染リスクの増加を含め、取り組むべき課題は山積しています。
2013年11月8日、台風30号はフィリピン中央部の広範に渡って甚大な被害を与え、子ども590万人を含む1,410万人が被災しました。ユニセフは地方自治体と被害状況の調査を行い、40の自治体(住民約134万人、うち子ども55万8,000人)を最優先に支援することを決定しました。
ユニセフ・フィリピン事務所の代表アンジェラ・キアーニーは、次のように述べました。
「我々は現在、最も大きな被害が受け厳しい状況におかれている子どもたちやコミュニティへの支援を続けています。取り組みには成果があるものの、子どもたちの権利を回復させ、子どもたちの潜在能力を満たす機会を取り戻すために、やるべきことはたくさんあります。緊急に必要とされる支援を行うため、ユニセフのスタッフは、24時間体制で職務に当たっています」
© UNICEF/NYHQ2013-1222/JEOFFREY MAITEM |
レイテ島に設置された「子どもにやさしいテント」 |
フィリピン政府主導の下、人道支援団体や地方自治体と協力して、ユニセフは最も被害が大きかった地域へ迅速に支援を届ける体制を作り上げました。
ユニセフとパートナー団体は、支援対象地域でこれまでに次のような支援を行っています。
(1)給水設備と衛生施設(トイレ)の復旧、(2)WHOと共に予防接種の実施、子どもへの保健支援、(3)妊産婦と新生児の栄養支援、(4)教育支援、(5)乳幼児期の子どもへの保健支援、(6)虐待や搾取からの子どもの保護−など
「すべての子どものニーズと権利を満たせるよう、支援活動は日々、拡大しています。支援活動は被災からの復興だけではなく、将来も視野に入れたものです。原状回復ではなく、再建されるすべてものが、今後のあらゆる災難を耐えられるよう、災害により強くよりよいものにしていきます」と、キアーニー代表は述べています。
ユニセフの緊急支援計画は、緊急支援から長期の復興支援計画へと移行しています。具体的には、子どものニーズを含む国と地域の災害リスク対応とマネージメント計画の立案など、国と地域の機関の能力強化のための支援が行われます。
© UNICEF Philippines/2013/JReyna |
笑顔で小学校に通う子どもたち(レイテ島) |
* * *
日本ユニセフ協会は、台風30号による被害発生後の昨年11月11日から、ユニセフ『フィリピン台風緊急募金』の受付を開始しました。個人、企業、団体、学校を通じて、これまでに9億540万3,808円の募金が寄せられました(2013年2月7日集計時点)。このうちの5億3,000万円と臨時拠出積立金1億円とあわせた計6億3,000万円が、すでにユニセフ本部に拠出されており、引き続き、拠出手続きをすすめています。皆様のあたたかいご協力に心より感謝申し上げます。
* * *
■参考情報:ユニセフの支援活動■
水と衛生
保健
© UNICEF Philippines/2014/HPapowitz |
栄養状態のチェックを受ける子ども(タクロバン) |
栄養
教育
保護
© UNICEF Philippines/2014/Jeoffrey Maitem |
タクロバンの避難センターで簡易トイレを使うこどもたち。ユニセフの支援により設置されました。 |