|
フィリピン台風緊急募金 第25報
|
2013年11月8日にフィリピン中部を襲った台風30号から4カ月。被災地では、保健センターの再開や水道の復旧、仮設学校への子どもたちの通学など、復興は目覚しく進んでいます。
しかし、本日ユニセフが発表する4カ月レポートは、子どもたちのニーズは依然として大きく、台風30号がもたらした被害の爪あとは、被災した方々や地域の復興のためにやるべきことがあることを強く物語っていると指摘しています。
© UNICEF/NYHQ2013-1228/Heather Papowitz |
ビタミンAの投与をうける子ども。 |
ユニセフ・フィリピン事務所代表代理のアブドゥル・アリムは「台風が直撃した地域は、被災前も約40%の子どもたちが貧困下で暮らしていたほど、最も貧しい地域です。子どもたちは台風の影響を最も受けており、ユニセフの取り組みの中心に置かれています。完全なる復興への長い道のりを歩んでいます」と述べました。 ユニセフとパートナー団体の取り組みをまとめた報告書「台風30号:支援活動4カ月レポート(原題:Four Months After Typhoon Haiyan)」では、これまでの支援活動がまとめられています。
© UNICEF/NYHQ2014-0123/Giacomo Pirozzi |
レイテ島のテントの学校で授業をうける3年生の女の子。 |
報告書は、さまざまな取り組みをしてきたものの、復興への道のりは長いものになることを指摘。今回の災害から被災地が復興するには、数年がかかるとしています。感染症の集団感染や学習機会の喪失や損失、暴力や搾取、虐待の危険が高まり、女性と子どもが栄養不良に陥るリスクがあるなど、直近でもさまざまな問題が子どもたちの前に立ちはだかっています。
ユニセフとパートナー団体は、緊急の人道支援や必要不可欠なサービスの復旧と合わせて、被災した地域のレジリエンス(回復する力)を向上する支援に力をいれてきました。支援にあたっては、最も支援を必要とする子どもたちと最も被害の大きかった40自治体を中心に行われています。ユニセフは、政府の関係省庁、市民社会、地域社会とともに、被災した地域で最も厳しい状況に置かれている人たちに支援を届けるしくみをつくっています。
アリム代理代表は「今回の大災害に寄せられた世界中からの支援に深く感謝しています。ご支援のおかげで、さまざまな取り組みが可能となり、子どもたちの命を守ることができました。フィリピンの方々自身の不屈の精神と懸命な取り組みと世界中から寄せられたあたたかいご支援によって、4カ月の間に、多くのことが実現しました」と述べました。
「子ども自身が強さと生活を取り戻すには、時間が必要であり、持続的な取り組みが求められます。ユニセフは、復興へのあらゆるプロセスを通じて、被災した子どもたちを支援し続けます」と続けました。
© UNICEF/NYHQ2014-0121/Giacomo Pirozzi |
タクロバンに設置された「子どもにやさしい空間」の前で遊ぶ女の子。 |
ユニセフは、台風30号への取り組みとして支援状況のモニタリングを強化しており、人道支援パフォーマンス監視情報システム(Humanitarian Performance Monitoring Information System:HPMIS)を開発しました。本システムでは、支援物資の供給状況を入力、パートナー団体への物資の配布を追跡、その取り組みをモニターし、支援の適切さや質、支援を受けた人の満足度などの情報が把握できます。
2013年12月以降、地域や避難所にいた7,200世帯以上に、水とトイレ、衛生、教育、保健、子どもの保護、栄養などの人道支援サービスについて調査を実施。さらに、最も被害の大きかった40自治体の情報が現在集められています。
* * *
■参考情報:4カ月間の取り組み
© UNICEF/NYHQ2013-1217/Jeoffrey Maitem |
水を汲む、最も甚大な被害を受けたタクロバンに住む男の子。 |
【関連ページ】