世界のニュース(1)

地雷はなくせるか?
ユニセフは、地雷禁止条約を締結するよう世界によびかけ
…11月29日〜12月3日までケニアのナイロビで国際会議…

対人地雷(たいじんじらい)を知っていますか?
戦争で使われる武器のひとつで、地面にうめられたり、空からばらまかれたりする小さな爆弾です。

戦争が起こった国々の多くで、道や田畑、林の中など、あらゆるところにうめられてきました。外からはどこにあるのか、または、それが地雷なのかどうかがよく分からないために、あやまってふんでしまったり、さわってしまったりして、おとなだけでなく、子どもたちも、亡くなってしまったり、ひどいけがをしたり、手足を失ったりしています。

この武器を1日でも早く世界からなくしたい! 
ユニセフをはじめ多くの機関や人々が努力をつづけています。そして、1999年には、地雷をつくったり、たくわえておいたり、使ったりすることを禁止する国際的な条約(法律)ができました。今では、143の国々がこの条約を守ると約束していますが、ユニセフは、世界中すべての国が、この条約の締約国になってほしいと、うったえています。

この条約についてふりかえる初めての国際会議「地雷のない世界についてのナイロビサミット」が、2004年11月29日から12月3日まで、ケニアのナイロビで開かれます。
ユニセフも、この問題に取り組んでいるほかの多くの団体や機関と一緒に会議に参加します。会議には、ユニセフの事務局長キャロル・ベラミーさんと一緒に、ボスニアで地雷の爆発によって手を失った男の子も参加し、地雷の被害にあった子どもを代表して地雷をなくすことをうったえる予定です。

戦争が終わっても、地雷が消えてなくなるわけではありません。戦争後も長い間子どもたちを苦しめる地雷。これをなくすためには、国際的な取り組みが欠かせません。ひとりひとりが関心を持つことから、地雷のない世界への1歩がはじまるかもしれません。

地雷は、多くの子どもたちの命をうばい、けがをさせ、親をうばっています。地雷がうまっている多くの国ぐにで、地雷の被害にあう人の5人にひとりは子どもです。毎年、およそ1万5千人から2万人が地雷によって亡くなったり、手足をうばわれていると考えられています。

  • カンボジアでは、地雷の被害にあう人の半分が子どもたちです。ソマリアでは、その割合は55パーセントにものぼります。
  • 地雷のカラフルで面白いかたちにきょうみをひかれた子どもたちが被害にあってしまうことがたびたびあります。
  • 子どもはおとなよりも地雷で命を失うことが多いのです。地雷の被害にあった子どもの85パーセントは、病院に運ばれる途中で亡くなっています。
  • 難民/避難民キャンプなどからもどってきた子どもほど地雷の被害にあう危険が高いといわれています。なぜなら、そうした子どもたちは、地雷がうまっているところに入ったり、遊んだりしたらあぶないと教わるチャンスが少ないからです。
  • 地雷によって子どもたちは次のようなけがを負っています。
    内臓が傷つく。視力や聴力が失われる(見たり、聞いたりできなくなる)。指や足の指、手足を失う。性器が傷つく。そして、体の傷だけでなく、とても深い心の傷も負わされます。
  • 地雷によって親が亡くなってしまったり、親が障害を負ったりすると、その子どもたちの生活はとてもたいへんなものになってしまいます。お母さんが亡くなったり、障害を負ったりして、子どもの世話ができなくなると、子どもたちは栄養を十分にとれなくなったり、予防接種などを受けられなくなったりします。お父さんが亡くなったり、障害を負ったりしてしまうと、子どもたちは働いて家族を支えるために、学校をやめなくてはならなくなったりします。
  • 地雷の被害にあった子どもが長い間、きちんとケアを受けるためには、とても費用がかかります。リハビリのできる病院が遠くにしかなかったり、高い費用がかかったりするために、多くの子どもちはケアを受けることもできずにいます。
  • 地雷がとりのぞかれていない場所に入ることができないために、家や道路、学校や保健センターなどをたてなおすことができずにいる地域がたくさんあります。田畑やかんがいのための施設にも入れず、人びとは作物をつくりたくてもつくれません。