世界のニュース(2)

コートジボワールで暴動が発生
〜おびやかされる子どもたちの権利〜

アフリカの中でも最も豊かな国のひとつ、コートジボワール。青い美しい海に面した海岸にかこまれたこの国は、長年にわたる内戦で不安定な社会状況がつづいて、たくさんの人びとが故郷をおわれたり、基礎的な社会サービスを利用することができなくなったりしていました。2004年11月はじめ、この国の中でもとくに商業のさかんなアビジャンの街で暴動が起こりました。この影響を受けて、コートジボワールの子どもたちの権利が危機にさらされています。

アビジャンで発生した暴動はその後、各地に飛び火しました。11月中旬現在、多くの地域で水道や電気が使えなくなっています。そのため、子どもたちは安全な水を飲むことができなくなり、下痢やコレラなど、命にかかわる病気にかかる可能性があるのです。

「この国の北部は今、とても不安定な状況です。治安が悪化して、水や電気の供給がとだえた状況が長びけば長びくほど、人びとをとりまく状況は悪くなるばかりです」とユニセフ・コートジボワール事務所のジェフ・ブレズさんは訴えています。

今回の暴動は、およそ一年間続いた停戦合意が政府側によってやぶられ、反政府勢力への攻撃を再開したことがきっかけとなって発生しました。暴動が起きると、たくさんの子どもたちが支援を受けられなくなる可能性があります。暴動が発生した後、ユニセフは多くの危険にもかかわらず、コートジボワール第2の都市、ボウアケやその周辺にある保健センター68カ所に薬や医療器具を届けました。ですが、例えばせっかく届けた予防接種用のワクチンも、電気がこないために冷蔵庫で保存することができず、使い物にならなくなってしまう可能性があります。

また、コートジボワールでは全国の学校が閉鎖を余儀なくされ、子どもたちが紛争に巻き込まれたり、搾取の犠牲になる可能性が高まっています。街頭デモに参加したと言われる子どもたちの多くが行方不明になっているとの報告も届いています。学校は学びの場であるだけでなく、このような状況が起きたときに、子どもたちを守る場にもなるものです。学校がないと、子どもたちは暴力行為にまきこまれる可能性がずっと高くなってしまいます。

ユニセフはコートジボワールの政府に対して、水と電気の供給をもとどおりにし、病院や学校がきちんと機能するように要求しています。また、暴動にかかわるすべての人びとに対して、子どもの権利を守り、子どもたちを暴力行為に決してまきこまないよう求めています。

ユニセフ本部からのプレスリリースはこちら