心に傷をおってしまった子どもたちのためには、もとの生活にもどして安心させることがとても大切です。みんながかよっている学校は、勉強するだけの場所ではなくて、友だちに会ったりすることで、家がこわれてしまったり、家族がはなればなれになったりと、被災した子どもたちがかかえているいろいろな不安な心を、安心させてくれる場所なのです。アチェ州では、全体の30パーセント以上の学校が津波によってこわされ、およそ1300人の先生たちが命をおとしたり行方不明になっています。そして3000人の先生が心に傷をおって、カウンセリングが必要な状況です。このことによって、学校をひらくことができない状態になっています。ユニセフは文房具や教科書を配布して、子どもたちに再出発させることをもっとも優先して活動をしています。
また、避難キャンプなどではたくさんの人があつまることが多いので、感染症のはしかが集団で流行することが心配されています。津波によって、保健所やスタッフが命をおとしました。医療スタッフだけではなく、治療するための設備や薬、そして子どもたちへのはしかの予防接種が急がれています。この予防接種を待つ子どもたちは、6カ月から15歳までの子どもたちがアチェ州だけに130万人だといわれています。たくさんの子どもたちがあつまって、感染する可能性が高くなる新学期がはじまるまでに、予防接種をすますことができればいいのですが、医療スタッフもワクチンもたりない状態です。
浦元さんは「被災者の多くがまずしいの住民と子どもたち。被害の状況はまだまだ明らかになっていません」とはなして、ひきつづき多くのかたがたにユニセフへの協力をしてもらえるようによびかけました。また、記者会見に同席したアグネス・チャンさんは、「子どもたちが親とはぐれて一人ぼっちになると、人身売買など犯罪のターゲットにされやすいのです。すこしでも早く、親と再会させなければいけません」と、話していました。
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