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国内のニュース(1)

ユニセフ駐日事務所長 浦元さん、インドネシアを視察
〜もっとも津波の被害が深刻な地域のひとつ、アチェ州の被災地を訪れる〜

2005年1月、ユニセフ駐日事務所長の浦元義照(うらもとよしてる)さんは、昨年末のスマトラ沖地震・津波によってひきおこされた被害のようすや、ユニセフの活動状況を視察するために、インドネシアのアチェ州にある被災地を訪れました。インドネシアのスマトラ島西端一帯にあるアチェ州は、今回被害にあった国ぐにのなかで、もっとも被害がしんこくだったといわれている地域です。バンダアチェという町の名前は、みなさんもテレビなどでよく耳にするのではないでしょうか。アチェ州のなかでもっとも大きな町で、とても被害が大きかった町のひとつです。

アチェ州の州都、バンダアチェでは、23万人の人口のうち5万人が命をうしなったのではないかといわれています。また、100近くある被災キャンプなどのおおくが、雨のために水びたしになって、また移動をしなくてはならないような状況です。そうすることによって、ますますだれが被災しているのかを登録することがむずかしくなってきている状況です。また、親とはなればなれになってしまった子どもたちは、バンダアチェの町だけで1600人いるとインドネシア政府は発表しています。早いうちに子どもたちを登録する制度を作って、親のもとに返したいとユニセフは考えています。

心に傷をおってしまった子どもたちのためには、もとの生活にもどして安心させることがとても大切です。みんながかよっている学校は、勉強するだけの場所ではなくて、友だちに会ったりすることで、家がこわれてしまったり、家族がはなればなれになったりと、被災した子どもたちがかかえているいろいろな不安な心を、安心させてくれる場所なのです。アチェ州では、全体の30パーセント以上の学校が津波によってこわされ、およそ1300人の先生たちが命をおとしたり行方不明になっています。そして3000人の先生が心に傷をおって、カウンセリングが必要な状況です。このことによって、学校をひらくことができない状態になっています。ユニセフは文房具や教科書を配布して、子どもたちに再出発させることをもっとも優先して活動をしています。

また、避難キャンプなどではたくさんの人があつまることが多いので、感染症のはしかが集団で流行することが心配されています。津波によって、保健所やスタッフが命をおとしました。医療スタッフだけではなく、治療するための設備や薬、そして子どもたちへのはしかの予防接種が急がれています。この予防接種を待つ子どもたちは、6カ月から15歳までの子どもたちがアチェ州だけに130万人だといわれています。たくさんの子どもたちがあつまって、感染する可能性が高くなる新学期がはじまるまでに、予防接種をすますことができればいいのですが、医療スタッフもワクチンもたりない状態です。

浦元さんは「被災者の多くがまずしいの住民と子どもたち。被害の状況はまだまだ明らかになっていません」とはなして、ひきつづき多くのかたがたにユニセフへの協力をしてもらえるようによびかけました。また、記者会見に同席したアグネス・チャンさんは、「子どもたちが親とはぐれて一人ぼっちになると、人身売買など犯罪のターゲットにされやすいのです。すこしでも早く、親と再会させなければいけません」と、話していました。

くわしい報告の内容は、ホームページにアップしています。
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