当日、演奏を聴きにきてくださった日本ユニセフ協会大使のアグネス・チャンさんとのお話の時間がありました。そこでアグネスさんは、ラン・ランさんのユニセフの活動についてお話をききました。ラン・ランさんは、2004年5月ユニセフの大使として任命された、今いちばん若い大使です。大使としての気持ちをつぎのように話してくれました。
「コンサートも大事だけど、こうやってユニセフの活動に参加するのもとても大事。世界で信頼されている大きな団体のメンバーのひとりになって光栄です」。
また、ラン・ランさんは、アフリカのタンザニアとそのまわりの島々をたずねたときの話もしてくれました。いくつかの村をたずね、マラリアとエイズで苦しむ子どもたちを視察しました。
「たくさんの人がマラリアにかかっています。タンザニアでは1日に600人の子どもたちがマラリアで命をおとしている。その地域全体では3000人もの子どもたちが毎日マラリアでなくなっている…」。アグネスさんも、話を聞いて、深刻な状況にとても驚いていました。
ラン・ランさんはこのことを「許してはならない状況」と話しました。
「生まれたときに予防注射をすれば、蚊にさされてもマラリアにかからない。予防注射は2ドルしかかからないから、予防対策をしていかなければならない。蚊帳は3〜4ドルしかかからない。これで1家族がマラリアから守れるんです」。
また、ラン・ランさんがすごいと思ったことを話してくれました。
「子どもたちがとても貧しい状況なのに、全く希望を失っていない。ひとりひとり可能性も才能もある。マラリアとか他の病気との戦いもなければ、すばらしい可能性をもって、素晴らしい将来をもっているでしょう」。
「私がタンザニアでピアノをひいたんですよね。子どもたちはこんなに目を大きくして聴いてくれたんです。初めてピアノの演奏を聞いた子どもたちが、演奏が終わるとわーっと駆け寄ってきてくれて。外に行っても、子どもたちが自然と素晴らしい歌を歌ってくれて、歌声も自然ですばらしい才能がある。そういった子どもたちと感動的な出会いだった、素晴らしいものだった」と語ります。
アグネスさんは、アフリカの子どもたちに次のように話しています。
「アフリカの子どもたちのリズム感は、私たちが一生かけても勝てないね!踊りだすと最高!彼らが学ぶものは、先生が歌って、子どもたちがあいのてを入れて繰り返して歌っていろいろなことを学ぶ…『手を洗いましょう』『歯をみがこうね』とか、歌から学ぶんですよね。私は4月にダルフールに行ったんですよね。先生といっても12、3歳の女の子よ。即席で歌を作るんですよ。それって、とても素晴らしいと思って。ダンスもすごいんですよね…」。ラン・ランさんもマサイ族のダンスを例に出して、アフリカの子どもたちのダンスやリズムの才能について話しました。
「今日はみなさんの前で演奏できること、本当に光栄です。日本は募金額は世界一位。ドイツもアメリカもほかの国をぬいて、一位なんです。それはみなさんのおかげなんです。それによってすばらしい子どもたちの未来、新しいはじまりなんです。新しいスタートをどんどん迎えることができるので、ユニセフの大使として、今日はこうやってみなさんの前で演奏をして、お礼を申し上げたいと思います。世界の子どもたちのために自分の演奏、そして子どもたちに心をかけてくれたこと、本当にありがとうございます」と最後に話してくださいました。
これからも、みなさんでラン・ランさんのユニセフ親善大使としての活動を応援していきましょう! |