世界の子ども物語
アフガニスタンの子どもたちのお話
〜とどけ!日本の子どもたちへメッセージ〜
先日の子どもネットワーカーの皆さんに「世界の子どもたちへの応援(おうえん)メッセージ」を書いてもらいましたが、世界の子どもたちから日本のみんなへのメッセージフラッグが届きました。
アフガニスタンの首都カブールから車で1時間、カマリという村でも子どもたちがこのメッセージフラッグプロジェクトに参加してくれました。アフガニスタンは20年以上も続いた内戦や戦争などで、子どもたちは長い間不安と混乱(こんらん)の中にいました。
ユニセフでは「バック・トゥ・スクール(学校へ戻ろう)キャンペーン」を行っていて、今までは学校に通えなかった子もだんだんと学校に通えるようになっています。
カマリ村学校は正規(せいき)の学校ではありませんが、男の子だけではなく女の子も、モスクの祈り部屋を借りて1日3時間勉強しています。
◆ ナジラ(10歳)のお話
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カマリ村学校に来て3ヶ月のナジラ(左) |
学校では、算数、国語、宗教とライフスキルの授業を受けています。ライフスキルの授業を受けたので、どうやって道を渡ったらいいのか、両親に尊敬(そんけい)を表す方法や、友達に親切(しんせつ)にする方法を学びました。
大きくなったらお医者さんになりたいです。3年前に私の弟が病気になったとき、お父さんは弟を毎日違う医者に連れて行かなくちゃいけなかったからです。
村にはこの学校に来てない女の子がたくさんいます。もう年が大きくなって家から出られない子もいるし、家族によっては女の子が教育を受けるのは将来のためにならないと思っているからです。自分たちも教育を受けてないから、教育の利益がわからないんだと思います。教育を受けると、よい生活ができるようになるし、国のために働くことができるのに。 ◆ サリム(14歳)のお話
ここにくるまで学校に行ったことはなかったんだ。学校は大好き。でも、とても困っているんだ。学校に来る前は、建築現場(けんちくげんば)を手伝ったり、山で燃料(ねんりょう)用のの木の枝を集めたりして、一日に50から100アフガニ(1ドルから2ドル)くらい稼いで家族に渡してたけど、今は学校に来てるから、半日しか働けません。僕の家族は11人もいるけど、働けるのは僕とお父さんだけなんだ。お金が足りないから家族は僕に学校を辞めてほしがってるんだ。学校を続けたいけど、辞めなくちゃいけないかもしれない。
日本の子どもたちに言いたいことがあるんだ。僕たちの国は戦争でみんな大変だった。全部なくしちゃったんだ。いつか僕たちの国も、君たちの国みたいになってほしいと思う。 いろいろな戦争の後遺症(こういしょう)に悩みながらも、勉強したい、先生になりたい、お医者さんになりたい、アフガニスタンが大好き、私の国のために尽くしたいと書いてくれた子どもたちは、今日もモスクの学校に通っています。
≪記事・写真≫
ユニセフ・アフガニスタン事務所広報官
三谷 純子(みたに・じゅんこ)さん
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5月1日には日本の国内から50枚以上、そして世界18カ国から120枚以上ものメッセージフラッグが集まりました。
世界の子どもたちは自分好きなことや将来なりたいものについて書いたり、「勉強大好き!」「日本のみんなの笑顔が大好き!」「日本に行ってみたいな」「私たちに未来を与えてくれてありがとう!」というメッセージや、そして「平和をください!」「地雷(じらい)をなくしてください」「これからも私たちを助けてください」など、たくさんのメッセージが届きました。
次号のウェブ写真展にて海外から届いたメッセージフラッグについて紹介をする予定です。お楽しみに! |
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