世界の子ども物語
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長い夏休みも終わり、いよいよ新学期が始まりましたね。夏休みが終わって学校に戻った感想はどうですか?早く学校に来たかったという人も、もっと夏休みがほしい!という人もいるかもしれませんね。
日本では、夏休みが終われば学校に行き始めるのは当たり前のことですよね。では、他の国ではどうなのでしょうか?今回のお話は、日本に程近いカンボジアという国に住むセンさんという女の子の話です。 |
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≪カンボジアの女の子、センさんのお話≫
15歳のセンさんは、カンボジアの中で貧困に苦しむ地域にお母さんと二人で住んでいます。あるときセンさんのお母さんが病気になって働けなくなってしまいました。センさんはお母さんのかわりに畑で働くために、2年間学校に通うことができませんでした。センさんにとって、学校に行けないことはとてもつらいことでした。センさんは、友達が学校に行くところを見ると、よく泣いてしまったそうです。
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<カンボジアの教育事情>
カンボジアでは、センさんのように学校を途中から行かなくなってしまう子どもたちがたくさんいます。ユネスコ統計研究所の調査(1998‐2001)では、小学校第一学年に入学した生徒が、第五学年まで在学する率は、カンボジアでは70%。これはつまり、10人の同級生のうち3人が学校に途中から行かなくなってしまうということです。 |
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学校に行けず悲しがっていたセンさん。でもようやく彼女の顔に笑顔が戻ってきました。なぜなら、ユニセフやその他の団体によって運営されている「オプションズ」というプログラムから、勉強するためのお金をもらうことができたからです。
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<笑顔で語るセンさん>
センさん(15歳)は、「オプションズ」から受け取った奨学金によって授業に出席しています。
(C) UNICEF Cambodia/2005/Khoy |
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オプションズプログラムは、5年生と6年生の女の子向けに毎週ライフスキル(注1)の授業を行っています。人身売買や性に関する保健指導、性的虐待、職業に関する意識、お米の作り方など、その対象は幅広いです。他にも、基礎的で実用的な読み書き(識字)を教える授業や、実際に職場で働いてみて社会経験をする授業などもあります。
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<ライフスキルクラスのために準備した絵を見せているセンさんとお友達>
この絵には、人身売買のブローカー(注2)がどのように農村に住む女性をだまそうとしているのかということが描かれています。
人身売買のブローカーは、よく都市部での裕福な生活を約束するというウソをついて、農村部の女性をだますそうです。 (C) UNICEF Cambodia/2005/Khoy
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学校に行けなくなった12歳を超えた女の子たち
が受けることのできる読み書きを習う授業です。
カンボジアでは、女性の40%が字を読んだり
書いたりすることができません。
(C) UNICEF/2005/Stark-Merklein |
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「クラスに参加できて、本当に幸せです」と笑顔で話すセンさん。そして、「私の村が他の国の村のように発展するために、そして安全確保や人身売買、自然環境の破壊などのあらゆる問題を防ぐために、私は勉強して、私たちが直面している危険を人々に気づいてもらえるようにしたいです。全ての女の子たちが、私のように勉強できることを望んでいます」と話してくれました。
センさんは学校から帰った後、お母さんの畑仕事を手伝わなければいけないので、毎朝5時に起きて宿題をします。センさんは、英語を勉強して、将来は翻訳家になるという大きな目標を持っています。
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センさん、学校にいけるようになってよかったね。でもカンボジア、そして開発途上国にはセンさんのように学校に行けなくなった子どもたちがたくさんいるみたいだね。
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日本では、子どもは全員中学校に行けるし、高校にも進学する人は多いけれど、カンボジアでは男の子は100人中27人が、女の子では100人中16人だけが中等教育(中学校・高等学校)を受けられるんだって。いろいろな事情があって、日本と比べて少しの人しか進学できないんだね。 |
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カンボジアには、女の子は高い教育を受ける必要がないという伝統的な認識があるみたいだよ。男の子と女の子が等しく勉強できるようになるためには、これからどのような課題に取り組んでいく必要があるか、みんなで考えてみよう。
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※1 ライフスキルとは、人々が安全に生活するために必要なさまざまな知識や技術のことをいいます。
※2 人身売買のブローカーとは、特に子どもや女性を売ることでお金をもうけている人です。もちろん、そういうことをするのは犯罪です。
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