ポリオは感染力の強い病気で、主に5歳未満の子どもが感染します。感染すると手や足に麻痺があらわれることがありますが、確実な治療法がないため、感染しないように、ポリオ・ワクチンの予防接種を行うことが大切です。ユニセフでは、ポリオが地球上からなくなるように、ほかの国連機関などと協力して予防接種活動に力を入れて取り組んでいます。
今回はアフリカのエチオピアで行われた予防接種キャンペーン、「全国ポリオ予防接種の日」のようすをフォト・エッセイでご紹介します。(左上に★印のある写真は、クリックで大きな画像が見られます)
南部諸民族州ハマル地方で活動する全国ポリオ予防接種の日のボランティアの人々。1平方キロあたりの人口が4.9人という、人口がとても少ない村や農場に向かうため、ワクチン運搬器にワクチンを詰めているところです。これから一軒一軒の家を訪問して、5歳未満の子ども全員にポリオのワクチン接種を行います。
この地域に住むハマル族とカロ族は農業・牧畜を営んでおり、ヤギや羊、牛といった家畜と共に移動を続ける遊牧生活をしているため、すべての5歳未満児へのワクチン接種が困難な課題となっています。
全国ポリオ予防接種の日は、2005年7月29日から8月6日の期間にわたって行われました。62人のボランティアがハマル地方全域に散らばり、5歳未満の子どもたちおよそ9,000人に予防接種を実施しました。
500万人の5歳未満児を対象としたこの全国規模のキャンペーンには、約10万人のボランティアが参加したと推定されています。
南部諸民族州南オモ地区のコルチョ村付近を流れるオモ川のほとりで歌をうたい、遊んでいるのは、ポリオ根絶活動の最前線にいるカロ族の子どもたちです。
南オモ地区はスーダンと隣接しています。ポリオ・ウィルスは、スーダンからエチオピアにもたらされたのです。2004年末にスーダンからの国境を越えたポリオ感染が初めて確認されて以来、エチオピアでは14件のポリオが確認されています。