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ユニセフユース活動報告書vol.1

2. 夏休みユニセフ子どもセミナー2005 ファシリテーター報告

新田 真之介 (Bグループファシリテーター)

【9:30 受付スタート】

 Bグループはぜんぜん集まりませんでした。
結局10時ぎりぎりで3人。ビデオ見ているときに2人といった感じ。おとなしい子もいたので、最初のグループワークで時間をとって簡単な自己紹介とか簡単な注意事項(気分が悪くなったらすぐ言ってね、など)を言いました。

【9:40 グループワーク1】

 栃木などから来ていたりして、なかなかそろってなかったですがかろうじてみんな書いてくれました(1枚ずつくらい)しかし上記のように時間もなくすぐに橋本氏のレクチャーがはじまったので、カテゴリー分類や、互いのアイデアを共有するところまではいきませんでした。
この時点で感じたのは、ユニセフ系のセミナーに共通かもしれませんが、男子が少なく、女子が多いため、年の小さい男の子がしゃべりにくそうにしていました。恥ずかしいのだと思います。
だから、なるべくいきなり意見を聞いたりせずに、「今日どうやって来たの?」とか「今日は誰ときた?」とか、答えやすい質問をまずしてから、徐々に内容も聞いていくというやり方でうまくいきました。

【10:10 橋本氏によるレクチャー】

 小学生の参加者とランチタイムに話したところ、漢字がわからなかったといっていました。私から見てもグラフや統計を多用しすぎて実感がわかないプレゼンであったようにも思います。ですが、そもそもおとな向けの素材であった(と予想される)ことと、専門家による専門的なレクチャーであったことで自分にとっても非常に勉強になりました。

【11:00 グループワーク2】
エイズで親をなくした子どもたちの問題について


B班で出た意見

  • 父親が働けなくなって、お金を稼げない=収入がなくなる
  • 子どもは学校へ行けなくなる←看病しないといけないから、父の代わりに働かなくてはいけないから
  • 母親も今まで以上に家事プラス稼がなければならなくなり負担がかかる

<ビデオを見た後>

  • 両親がいなくなると、子どもたちは、他の人からの援助がないと生活できない
  • ただし、援助にも限りがある
  • 学校へいけるようになったといわれて、男の子が嬉しそうにしなかったのは、どうせ学校へいくよりも、家事などして働いたほうがいいのではないかと状況判断したからだろう

 ビデオの内容が重く、暗示的なシーンを多く含んでいたために、「あれってどういうことだったんだろう?」ということから話していきました。結果的に、そのことによって最初に出なかった意見なども出るようになったと思います。
援助があればいいと最初は思っていたけれど、援助があるからといっていいわけではない、ましてこのビデオのようにお金を出してくれる人がみつかるのは幸運な方だ、といった意見です。

 なお、個人的には、英語ビデオに対するインターンの油井さんの日本語解説が素晴らしかったです。特に説明を加えるだけではなく、はきはきと訳をつけていたのが印象的でした。
マイクをもって人前であれだけ堂々と大きな声でできているというのは非常に参考になりました。

【13:00 グループワーク3】

B班で出た意見
○自分がエイズになったら

  • 家族には話す
  • 親友とか、3人くらいの友達になら話せる

→かなり限定的な公開
その理由は、理解のない人による差別に対する恐れからである。

○友達に「実はエイズなんだ」といわれたら

  • 気にしない、気にしないようにする
  • 気にしないのは、今日きちんとした知識を得て、こういうことをしなければ感染することはないとわかっているから。ちゃんと知らなかったら距離をおいてしまっていたかも。

○日本では、病院へすぐ行って入院したり薬をもらったりできる
⇔他の国では?

〈ビデオ2 タイのエイズホスピスについて〉


  50分とながかったので、小学生の女の子は後半退屈していたようでした。
しかし、ショッキングな映像に多くの参加者はのめりこんでいたようでした。自分も、前日に半分ほど見たにもかかわらずすごく深刻な気持ちになりました。田中さんによる解説も、前日よりスムーズになっており、すごくよかったと思います。

そして、私の考えた今後の検討材料として、「セミナーにおいてみせるビデオ」の分類などをしていくというのはどうでしょうか?

  日本ユニセフ協会には、テーマごとに、さまざまな時間の日本のユニセフ協会が作ったもの(または日本語に吹き替えたもの)、海外のユニセフが作ったもの(英語のまま)があります。
今回は、エイズホスピスの実情にせまるドキュメンタリーとして適切と判断された広報室の方が選ばれたと思うのですが、さすがに参加者の年齢と当日の過密スケジュールを考えると、問題があったのではないでしょうか。
そこで、私たちの今後の活動として、ユニセフ協会に所蔵されている多くのビデオをテーマ、時間、内容の難しさなどで分類するというのはどうでしょうか。しかしおそらくユニセフ協会にも学校などに貸し出すシステムがあると思いますのでそれらの表のようなものは既に整っていると予想できます。
それでしたら、次に、セミナーなどのスケジュールにあわせて選択できるように「20分バージョン」「40分バージョン」「60分バージョン」という風に、1つのビデオを編集しなおし、3つの異なった時間によって利用できるように加工するという作業はどうでしょうか。これをすれば今後のセミナーや、学校の授業などで扱うときにも便利だと思います。
例えば、「使える授業は1コマで50分だけだから、エイズホスピスの50分ビデオは使えないな」とされていたものが、「20分バージョンなら、説明を加えて意見を発表させてもできるな」とか。
これはあくまで今後の検討材料ですが、今後の子どもネットの活動やセミナーなどにおいて「かゆいところに手がとどく」というのは、活動をよりよくするバックアップという本会の目的の1つにも合うと思います。

【14:15 グループワーク4】
わたしたちにできることを考えよう


○思い出す限りでは

  • 私たちが、もっと知る
  • TV局が、エイズについての正しい知識をわかりやすい番組を作る
  • 製薬会社が、エイズ抑制の薬を「安く」売る
  • 学校、教師が授業でHIVの問題を扱う
  • 医者や専門化が、学校などで正しい知識を子どもに教える
  • おとなが、自ら進んでHIVについての正しい知識を学ぶ

    など

  模造紙に書くとき、好きにしていいよと言ったら、やっぱり表になりました。
意見を出しながら書いていく形態にしたのは、時間の節約にもなったと思います。(いろいろ工夫しようとしていた班は、時間が足りなくなったりまとめられていないように思えたので)発表者の2人も話し合いの中盤ですでに決めていたので、本人たちの準備や心構えなどでもよく、発表がスムーズにできたと思いました。
また、最後のグループワークだったこともあり、ただ単発に自分の意見を述べるだけでなく、それに対する意見や、他のメンバーのアイデアをうけて、といったコミュニケーションがでてきました。アイデアが煮詰まったときは、ファシリテーターから、「じゃあいままでと違った視点で考えてみようよ。病院とか医者はどうだろう?製薬会社は?じゃあ銀行は何ができる?」などと、視点を提供することにしました。そうすると、「え?薬を作る会社ができることは、そうだ。エイズを抑える薬を安く提供することを求めればいい!」という風に意見がまた出るようになります。
ある程度予想の上誘導になりますが、あまり自分からはいわず、意見が途絶えたときにヒントを出す、というのはファシリテーターの原則であるように感じました。

【片付け】

 会場設営に私たちが関わっていないので、片付けの段取りがつかめず、正規スタッフの方の指示を待つ形になっていました。
前日のミーティングまたはランチタイムにおいて、片付けに関する段取り説明または役割分担をしておくと、終わってからスムーズに片付けに移行でき、終了時間をより早められたと思います。どうせファシリテーターは記者にも相手にされませんでしたし(笑)。次回は会場設営にも参加したほうがいいと思いました。集まれる人もいると思いますし。


【まとめ】

 今回、本格的なユニセフセミナーにおいては初めてのファシリテーター経験でしたが、自分としては大成功だったと勝手に思っています。やはり明るくいったことがよかったのではないでしょうか。ファシリテーターが緊張していたり恥ずかしがっていると回りが思うと回りまで緊張してしまいますから。もちろん、グループのメンバーみんながとても協力的で積極的に意見を出してくれたからこそであることはいうまでもありません。
 自分たちには、中高生と比較的年が近いというアドバンテージがあります。それを生かして、今後のユニセフ活動をよりよくするためのサポートを活動の1つとしていくべきだと思います。その点において、昨日のセミナーでも、おとな(ゲストの権威ある方)による講演や最後のコメントなどは、より改善の価値があることを実感しました。講師のレジュメも、たとえば今後は、セミナーの2週間前に配布資料を私たちが点検し、漢字や統計の載せ方など、難しいところを変えたり説明を補足するなどの作業をする価値はあると思います。
 このセミナーをきっかけにして、ユニセフ子どもネットOBOGによる組織の設立へ向けて動き出せたことが大きな成果ではないでしょうか。昔一緒にがんばったネットワーカーや、同じOBOGとして何かしたいと意欲をもつメンバーと会えて非常に嬉しかったです。今後は、よりメンバーを増やし、意見を交換して、活動を継続していきたいと思っています。

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