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ユニセフ子どもネットウェブマガジン
No.19
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世界のニュース(1)

トラウマとたたかう少年、アリ
ケニア−武装した集団の被害、深刻に…

アフリカの赤道直下にあるケニア。ケニアといえば、サバンナ、野生の動物たちなど、大自然、広大なアフリカのようすをイメージする人も多いでしょう。

ケニア北部のソマリア、エチオピア、スーダンとの国境の地帯では、となりの国からやってきた武装した強盗団や、部族どうしの紛争、虐殺など、とても深刻な状況になっています。陸路で移動するときは、警察の護衛が必要になる場所もあります。

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8歳のアリは、体や心の傷に悩まされつづけています。2005年におきた紛争で被害をうけたたくさんの子どもたちのうちのひとりにすぎません

その被害をうけた子どもたちのなかに、8歳のアリがいます。アリは、見知らぬ人を見ると、大声をあげて、きょうだいのスカートのなかに顔をかくしてしまいます。アリは、ケニア北部のマンデラ地区にあるラームという町の近くの給水所で、武装した集団に襲われて、左足を失ってしまいました。

アリは歩けない…歩きたがらないのです。それは、過去のことを思い出してしまうからです。アリは恐れています。そして、見知らぬ人すべてが、ぼくを病院へ戻してしまおうと話しているんだ、と考えてしまうのです。

一方、彼のお姉さんのザイナブさんとは、自分に何が起こったのかを自由に話すことができます。ザイナブさんは、4つの武装グループが対立している部族からやってきたときのようすや、きょうだいのアデンが殺されたことを話しました。そのときお母さんのハビバさんも殺され、そしてアリにも危険がおよびました。

「彼らはアリの足とおなかを撃ったのです」ザナイブさんは、アリの言いたいことをかわりにうったえるかのように言いました。そのとき武装グループを追いはらい、アリからひきはなしました。そのときアリはわざと撃たれたのかと聞くと、「もちろん、そのようなものです」と答えました。

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ソマリア国境に近いマンデラ地域のエルゴリチャ村でのようす。部族どうしの争いによって、22人の女性や子どもたちが命をうしないました。

アリの話は、けっしてまれなケースではありません。ソマリア、エチオピアとの境界のこの地域では、すべての子どもたちが、紛争によって危機にさらされています。紛争による暴力はもちろん、学校もこの非常事態で閉鎖されることもしばしばです。ユニセフは、この暴力から子どもたちを守り、回復させるために、カウンセラーのいる保護センターをつくるためのお金を必要としています。そして、ストレスや暴力によって傷つき、学校に通えなくなった、少なくとも4万人の子どもたちが学べる場所が必要だとうったえています。

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