国内のニュース
ユニセフユースがリポート!
〜まもなく1年…スマトラ沖地震・津波「アチェの子どもたちは、今。」ユニセフ日本人職員帰国報告会〜
2005年11月10日、東京・高輪 ユニセフハウスにて、≪まもなく1年…スマトラ沖地震・津波「アチェの子どもたちは、今。」ユニセフ日本人職員帰国報告会≫が行われました。
青木さんの講演の内容を、ユニセフユースのぼく新田がレポートします。
なお、ユニセフのインドネシア事務所のなかで、教育部門を担当されている青木さんの報告だったので、教育分野の話が中心です。
【ユニセフの支援:これまでの経過】
◆1月〜3月
- 「バック・トゥ・スクール」キャンペーンを実施。被災一ヵ月後の1月26日に
は、学校を再開。
- スクールテント216張。教科書1712冊。スクール・イン・ア・ボックス(教材キット)4739キット。レクリエーションキット3222セット(子ども55万人分)
◆4月〜10月
- 教材83万セット(アチェとニアスの子ども全員分)をNGOとの密接な連携で配布。
- 教科書23万セット(生徒3人に1セットに相当)
- 被害を受けた学校の構造アセスメント
→UNOPSからユニセフに派遣されたエンジニアが、残っている230校を調査
→いまだ使用されている学校のうち18校が危険(次余震が起きたら崩壊する恐れがある)な状態にあると確認。
- 仮設学校の設置
→常設の学校が建設されるまでの間4万2000人の子ども達が通える200の仮設学校の建設のため国際移住機関と連携
【ユニセフの役割】
ユニセフは政府とNGO間の調整役として活動→支援の多くが突然やってきたり、支援活動の「ダブり」の問題を解消するために定期的にNGOの代表をあつめてミーティングを開くなど。
【日本ユニセフ協会事務局長の早水さんより】
アチェのときは、世界中の注目をあつめ、支援金が当初の目標の140%集まった(はじめの1ヶ月について)のだが、(これからきびしい冬を迎えるにあたって心配されている)パキスタン地震への支援金は、いまだ目標の45%しか集まっていない!
【新田の感想】
長年の災害支援の経験から、培ってきたノウハウが、迅速な対応に活かされていると思いました。特に、学校を再開するために最低限必要な学用品が箱の中にすべてはいった「スクール・イン・ア・ボックス」や、「レクリエーションキット」などです。また、水・食糧・衛生面・教育など、各セクションごとに支援が必要な部分を見極め、情報をNGO、政府との間で共有しあうという協力体制ができてきているということ、その中で、国連機関であるユニセフのリーダーシップはとても重要であるということもわかりました。しかし、まだ完全に復興を遂げているわけではありません。心のケアの問題を含め、まだまだ支援の継続が必要であるということです。
講演は、さすが国際経験豊富なユニセフインドネシア事務所の方だけに、とても聞きやすく、貫禄さえありました。子どもネットのワークショップなどでみなさんもさまざまな発表の場があると思いますが、あの堂々としたプレゼンテーションは、お手本になるのではないでしょうか。
|
◆ユニセフ インドネシア バンダ・アチェ事務所 スタッフ
青木 佐代子(あおき・さよこ)さんプロフィール
ユニセフ・ペルー事務所、ユニセフ本部でお仕事をしたことがある青木さん。その後は世界銀行のコンサルタントとして中米の教育政策、教科書作りの支援を行いました。
2005年3月より、津波被害復興支援のためにユニセフがインドネシアのバンダ・アチェに開設したオフィスで、教育担当官として活躍中です。 |
|
|
報告:ユニセフユース 新田 真之介
写真:(C)日本ユニセフ協会
|